【善通寺市】チームラボの作品が旧偕行社に登場 「お絵かきフライト」の楽しみ方を聞いたよ
WRITTEN BY ちぃちぃ
就労移行支援という言葉を聞いたことはありますか。発達障害や身体障害などで働くことに障害がある人が、一般就職を目指して学んだりトレーニングを受けられる国のサービスです。講座の種類は約100種類にも及びます。2024年7月に丸亀市大手町にオープンした就労移行支援事業所「ヒトトコ丸亀」を覗いてきました。
「飲み物はいかがですか」。ヒトトコ丸亀を訪れると、男性がメニュー表を見せてくれました。室内にはジャズが流れ、落ち着いた雰囲気です。しばらくして男性は、お茶をトレーに載せて運んできてくれました。
スタッフの井上真子さんが、男性はヒトトコ丸亀の利用者だと教えてくれました。男性は「お茶出し」の講座を学び、テストに合格したので実際に来客対応してくれたそう。利用者と社会との接点を少しでも増やそうという気持ちが伝わってきました。
井上さんはヒトトコ丸亀の案内をする際、最初に「就職準備性ピラミッド」を見せてくれました。就職に必要なスキルや能力を段階的に示したモデル図です。

一番下の底辺にあるのは、「元気に過ごす力(健康管理)」。次に「暮らしを安定させる力(日常生活管理)」「人付き合いを上手にする力(対人技能)」「仕事を頑張る力(基本的労働習慣)」と続きます。トップにあるのが「就職活動(職業適性)」です。
なるほど、いきなり就職活動するのではなく、まずは日常の健康と暮らしを安定させようという狙いが、このピラミッドにありました。ピラミッドは6段階に色分けされており、カリキュラムの講座も同様に色分けされていました。
ヒトトコ丸亀が利用できるのは、働くことに障害(精神障害や身体障害など)があって一般就労を目指している人です。一般の仕事をして働いていたけれど、発達障害という診断を受けた人なども対象です。
午前10時から午後3時まで、週5日のタイムスケジュールが決まっています(金曜日は正午まで)。講座を受けたりトレーニングしたりする時間もあれば、個別の作業に取り組む時間も。
どの講座に出席するのかは、利用者が担当のスタッフと相談しながら決めることができます。健康管理や日常生活管理の講座がバランスよく散りばめられており、就職後に元気で過ごす準備に役立っているようです。
「ヒトトコは居場所としての役割もあるので、中にはお楽しみのような講座もあります。就職したら『自宅と職場の往復だけになってしまった』ということを避けるために、趣味の時間を過ごせる場所にみんなで遊びに行ったりします。丸亀城や猪熊弦一郎現代美術館、ボーリング場などなど。余暇の過ごし方も含めて学んでもらっています」。井上さんが教えてくれました。

ビジネススキルの講座では、来客対応や電話対応、ビジネスマナーをはじめ、自己理解にも取り組みます。例えば、1時間働いて次の1時間を頑張るために5分間の休憩をどう過ごせばよいのか、データを取りながら利用者それぞれの答えを探したりするそうです。実際に働くためのきめ細やかな準備だと感じました。
また、個別の作業の時間では、事務を想定したパソコン作業と仕分けや検品などの軽作業に分かれます。内容は、スタッフが企業にヒヤリングしながら考えられています。利用者は担当のスタッフと相談しながら、自分がやりたいことや得意なことを探して就職先を決めるそうです。
ヒトトコ丸亀は定員10人でスタート後、15人に増員されました。スタッフは6人です。将来的には定員20人に増やすことを検討しています。現在の契約者は30人にのぼるそうで、事前の予想よりも問い合わせや相談が多かったことに、井上さんも驚いたそうです。
「利用者は、一般の学校を卒業後に一般就職した人が多いです。養護学校の出身者であれば、もっと早く適切なサポートにつながった可能性もありますが、就労移行支援はまだまだ行政や医療関係の人にも十分に知られていません。利用者たちは制度のはざまにいたと言えます」と井上さん。
利用者の人にも話を聞いてみました。お茶を出してくれた20代の男性は、ヒトトコ丸亀での体験を通してボーリングの趣味を見つけたそう。腕前はスコア120から130というハイレベル。「人とのコミュニケーションだったり、普段は学べないことを学んでいます」と話します。

20代の女性は利用を始めて9カ月です。パソコンの訓練を受けており、納品書と請求書を比べてミスを探すのが得意だそう。既に就職活動を実施中で、1次面接に合格したことを教えてくれました。
また、ヒトトコ丸亀では1人の利用者に対してスタッフ2人が担当する仕組みです。別の20代の男性は、そのことについて「いつでも話しかけていい存在で、気軽に相談できるところがいいです」と話していました。
明るく落ち着いた雰囲気で、机や椅子のデザインにもこだわっているというヒトトコ丸亀。インタビューした利用者は誰もが「この雰囲気は気に入っている」と教えてくれました。
雰囲気づくりも含め、代表の宮武将大さんの「一人ひとりの”働く”をつくりたい」という思いを中心に運営されています。豊富なカリキュラムは、一人ひとりにオーダーメイドの支援内容を準備しようという思いの表れでした。
井上さんは「利用者の半数は自分でヒトトコを見つけて来てくれた人たちです。ネットで『発達障害かも、働けない』などと検索してここにたどり着きました。就労移行支援は、就職後も半年はサポートが続く、きめ細かな制度。ハローワークと同じくらい、誰もが知る存在になりたいと思っています」と話していました。

基本情報
名称 : 就労移行支援事業所 ヒトトコ丸亀
住所 : 香川県丸亀市大手町3丁目5-18セントラル丸亀ビル4階
アクセス: JR丸亀駅から徒歩で5分程度(見学時の駐車場は要相談)
時間 : 午前10時から午後3時
休所日 : 土曜・日曜日
電話番号 : 0877-85-8360
公式サイト
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ちぃちぃ
ヘルシーなごはん、そして、雰囲気を含めた「心地よい食体験」が大好きです。時には、知的な発信も手掛けたいと思っています。香川県丸亀市・善通寺市を中心としたエリアの情報を楽しんでいただけたら嬉しいです。
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