【綾町・国富町】バスにのってGO!GO!GO! 車では見えない町・畑・古墳の景色
WRITTEN BY omi
「大山祇塚」は、日本神話の山の神が眠ると伝えられる古墳。その神には鬼も惚れるほどの美しい娘がいました。この恋物語が、古墳群と神社をつないでいます。
山の神はオオヤマツミノカミ。両親はイザナギとイザナミです。
山の神にはコノハナノサクヤビメというとても美しい娘がいました。鬼はその娘に一目惚れ。結婚を願い出た鬼に、父はある条件を突きつけました。それは一夜で岩屋を完成させること。鬼は夜通し働き、なんとか岩屋を完成させました。

ところが、娘を鬼に嫁がせたくない父は、鬼が眠ったすきに岩屋の石を一枚抜き、遠くへ投げてしまったのです。鬼が目を覚ました時、岩屋は未完成の状態に……

この石が落ちた場所が石貫神社です。そしてその神社には父である、オオヤマツミノカミが祀られています。また落ちてきた神話の石も、鳥居横に鎮座しています。

この辺りの詳しい物語は、以前の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
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大山祇塚はその山の神の古墳。そして鬼が造った岩屋が鬼の窟古墳となっています。2つの古墳は歩いて数分の近い距離にあります。山の神は鬼の窟古墳を見て、何を思っているのでしょう?
大山祇塚は全長は94mで、柄鏡式と言われる前方後円墳です。通常、前方後円墳は鍵穴のような形ですが、柄鏡式は前方部が細長い長方形になっています。手鏡の形に似ているため、柄鏡式と呼ばれています。

古墳時代前期の前方後円墳は柄鏡式が多く、時代と共に前方部が広がり、下のような鍵穴の形になっていったと言われています。

では、実際の古墳を見てみましょう。
とても美しいフォルムです。柄鏡式は前方部がかなり低くなっている場合が多いですが、この古墳は比較的高く作られているようです。

古墳の周囲は大きな木が何本か立っているため、古墳だけを写すのが難しい状態です。しかし、木の向こう側に写る姿も素敵です。

前方部から見た光景。前方部が高いせいか、2つの山のように見えます。

続いて後円部から。

山の守護神であるオオヤマツミノカミは、自然の豊かさと厳しさを象徴する神さまです。毎年11月29日の例大祭では、大山祇塚の前で石貫神社と共に神事が行われます。そして信仰心の熱い有志によって、石貫神社と大山祇塚をつなぐ階段が造られました。それが石貫階段です。

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西都原古墳群と周辺には、神話がまつわる場所が多くあります。そしてそれらは、神話の中で互いにつながっています。

鬼の窟、大山祇塚、女狭穂塚を見て、石貫階段を下りて石貫神社に参拝する――鬼・美女・神。そして恋物語。現代の私たちも共感できる神話。その舞台を巡る散策はとても魅力的です。鬼の気持ちになるか、あるいは父親の気持ち……それとも娘の気持ちになって散策するか。それはあなた次第。

大山祇塚(90号墳)
住所:〒881-0005 宮崎県西都市三宅4572 (地図)
駐車場:西都原古墳群駐車場
Web:西都原古墳群公式サイト
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omi
古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。
仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。