【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
農薬や化学肥料を使わずに育てられたお米「いすみっこ」は、2015年からいすみ市内の学校給食米に採用されています。2017年からは市内の小中学校の給食で使用されているお米全てが「いすみっこ」に統一され、2018年からは有機野菜の使用も始まりました。子どもたちの食の安全・安心が求められ、徐々に実現している一方で、家庭内ではどうでしょうか。子どもだけでなく親も、「市民のだれもが手に入れられるようにしたい」という想いから立ち上がったオーガニック専門店「いすみや」を紹介します。

いすみやの店主は、高校で生物を教えていた手塚幸夫さんと奥さんの浩子さんです。ホタルや水辺の生物の保護を含む自然保護活動をしていた手塚さんは、「昔ながらの水路を残さなければいけない」と唱えていたため、自分でも田んぼを手作業で管理し、昔ながらの米作りをしていました。
いすみ市の学校給食は100%「いすみっこ」になりました。次は家庭にも広げて、「市民 のだれもが手に入れられるように」という想いがありました。お米だけでなく野菜や、オーガニックで無添加の食品が揃い、ふらっと立ち寄って買い物ができる。そんなスーパーのような店で、オーガニックを中心としたコミュニティづくりができないかと、手塚さんは考えました。
浩子さんは、50年ほど前に“街を耕す”というキャッチフレーズのオーガニック店「真澄屋(ますみや)」で働いていたことがありました。手塚さんは真澄屋のコンセプトを気に入って「米や野菜を売るだけでなく、ここで街を耕すイメージで『いすみや』にした」と、店名の由来について話しました。

「想いだけでスタートしたから大変だった」と、手塚さんは2020年にオープンした頃を振り返ります。当初は想いを共有した人が集まって店をつくり、店舗を借りて営業していましたが、コストの問題もあって自宅で個人経営をすることになりました。2023年に現在の場所に移転し、浩子さんも一緒に経営するように。
浩子さんは「経営だとケンカになるから、部活動だと思うことにした。部活動なら切羽詰まらないし、ニコニコしてられる」と、運営の秘訣を話しました。
趣のあるいすみやの白いのれんをくぐると、棚にはたくさんの食材や日用品が並んでいます。もちろん、「いすみっこ」や化学合成農薬・化学肥料不使用で栽培された野菜「いすみそだち」も扱っています。

地元の人、移住者、観光客、ふらっと訪れる人、ネットで見つけて訪れる人など、さまざまな人が足を運ぶ店内。手塚さんと浩子さんは、お客さんたちと近況を話したり、会話を弾ませながら接客を楽しんでいます。お客さん同士がここで顔見知りになり、自然とつながりが広がっていくこともあります。
去年、同じ敷地の店舗の隣に建つ古民家を「嬉嬉 KiKi」と名付け、上映会やライブ、イベントや講演会などを行うようになりました。城西国際大学の学生たちが、研究のために古民家カフェを4日間限定で開いたことも。私が訪れた日は、「嬉嬉 KiKi」を借りた団体が味噌作りのワークショップを行っていました。

少しずつ街を耕してきたいすみやは、昨年オープン5周年を迎え、来月には5周年記念ライブが開催されます。いろいろな種がまかれている中、どんな芽が育っていくのか、今後も楽しみでなりません。
【詳細情報】
名称:いすみや
営業時間:10:30~17:30
営業日:水・木・金・土曜日
住所:千葉県いすみ市大原7952
公式webサイト(外部リンク)
【イベント情報】
名称:いすみや5周年記念井上園子ライブat 嬉嬉 KiKi
日時:4月12日(日) 15:00~(14:30開場)
場所:千葉県いすみ市大原7952 嬉嬉 KiKi
料金:前売り3,000円 当日3,800円
問い合わせ:070-4332-6135(いすみや)
取材協力:いすみや
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バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。
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