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大阪府 -泉佐野市

【泉佐野市】宣伝もなく街で静かに12年。計算尽くされた洋食専門店の『完璧なワンプレート』

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旅する日々の記憶と記録。matka08

もうずっとそこにあるかのように、街に静かに佇む「洋食 ピッコロ―サ」

創業12年と聞いて歴史の短さに驚くほど、その存在はもはや街の風景の一部として溶け込んでいます。

真っ赤な扉が目印の「洋食 ピッコロ―サ」は、 国道26号線の高架下にある「上瓦屋」交差点を山側の道へ曲がり、少し進むと左手にあります
真っ赤な扉が目印の「洋食 ピッコロ―サ」は、 国道26号線の高架下にある「上瓦屋」交差点を山側の道へ曲がり、少し進むと左手にあります

コックさんとスロウなボサノヴァと

間違いないー。

そう直感させる店との出会いは貴重です。

厨房から伝わるコックさんの真摯な仕事ぶり。静かに流れるボサノヴァのリズム。
そして、そのすべてが響き合う小さな空間。

食事がはじまる前から、すでに幸福な美味しさが満ちている、ここは、そんな場所。

多くの情報があふれる今、「本物の洋食屋」とは何かを改めて考えさせてくれる、たしかな哲学と温もりが息づく一軒です。

気になる「人気ナンバー2」

愛らしい装丁のメニュー表を開けば、そこには大人をも魅了する、懐かしくも豪華な洋食の数々が並びます。

定番のナポリタンミートスパゲティをはじめ、じっくり煮込まれたビーフシチュー、そして昔ながらのオムライス! 
かつて子どもたちが夢見た憧れを、そのまま形にしたようなラインナップ。

もちろん、大人も思わず目を奪われる豪華な「おこさまセット」もあります。

その中でも特におススメのメニューは、創業当時から人気を誇るこの2品。

「ローサset」「ピッコロset」各 1,980円(税込)
「ローサset」「ピッコロset」各 1,980円(税込)

人気ナンバー1「ローサset」は、心をくすぐる洋食の憧れがギュッと詰まった一皿。
特製ソースが添えられたオムライス、国産牛と犬鳴豚の旨味が凝縮されたハンバーグ、そしてプリプリのエビフライが二尾。
これらが一つのお皿におさまる姿は、まさに大人のための「お子様セット」と呼ぶにふさわしい贅沢さ。迷ったときに選びたい王道の一品です。

そしてもう一つが、人気ナンバー2「ピッコロset」。生姜焼きの香ばしさが写真からも伝わるこちらのプレートには、エビ、イカ、白身魚のフライと、海鮮好きにはたまらないラインナップが並びます。

洋食専門店の「揚げもの」のクオリティがとても気になり、わたしは迷わず人気ナンバー2の「ピッコロset」を選びました。

完璧なワンプレート

注文をすると、オーナーシェフの長棟 薫(ながむね かおる)さんが確かな手つきで料理を作りはじめます。作り置きはせず、すべて注文後に一から。
厨房に響く丁寧な調理音と立ち込める香りが、これから出会う一皿への期待を静かに高めます。

ほどなくして運ばれてきたプレートは、一目見て丁寧に作られた料理だとわかるほど、凛とした佇まいでした。

一見小ぶりに見える黄金色に輝くエビフライ。美味しさの秘密は超極薄の衣にあります。

その食感は、サクサクというよりはカリッとした小気味よい歯触りが特徴的です。
衣を破ると中には甘みとコクを湛(たた)えたプリプリのエビがぎっしり。自家製のタルタルソースとともに頬張った瞬間、今までにないエビフライの深い味わいに驚きました。

その秘密を尋ねると「エビにしっかり下味をつけている」と長棟シェフ。

手間を惜しまない仕事ぶりが光る一品です。

そして、美しい照りを纏(まと)う犬鳴豚の生姜焼きは、とろけるような食感。
地元食材の可能性を極限まで引き出した洋食屋のシェフの確かな技術がここにあります。
特に、肉の旨味を引き立てるオリジナルのタレの美味しさには思わず唸らされました。

長棟シェフは、辻調理師専門学校をご卒業後、洋食の枠を越え、多くの料理店で研鑽を積んでこられました。その一つ、ステーキ屋での経験が、この深みのある肉料理に活きています

「誰でも気軽に通える洋食屋を開くのが夢だった」と語るシェフの想いが、この店の温かい雰囲気と、確かな味の基礎となっています。

お皿の隅に添えられたパスタさえ、主役級の美味しさです。

通常、このスペースに添えられるのは、具の少ないナポリタンであることが一般的。ところが、この店の付け合わせはひと味違いました。スパイシーなカレー味のサラダスパは、その美味しさから「単品での販売を」とリクエストが寄せられるほどの逸品です。

また、本日の白身魚のフライは、地元の漁師さんから直接仕入れた新鮮なタイ。日によって魚種が変わるというのもうれしいポイントです。完璧な下処理が施されたイカフライもまた、老若男女問わず楽しめるやさしい柔らかさでした。

静かに流れるボサノヴァを聴きながら味わう、計算尽くされた完璧なワンプレート。
それは、日々の喧騒を忘れさせてくれる、至福のひとときでした。

(「ローサset」と「ピッコロset」は終日提供しています。)

根強いファンがいる「王道ナポリタン」

「『洋食 ピッコロ―サ』といえば、熱々の鉄板でサーブされる、ほんのり甘いナポリタンがイチオシ!」

そんな声があがるほど、こちらも根強いファンがいる逸品です。

「ナポリタン」1,485円(税込) 「ナポリタンセット」スープ、ドリンク付き1,925円(税込) 「ナポカラset」唐揚げ、サラダ、スープ、ドリンク付き 2,090円(税込)
「ナポリタン」1,485円(税込) 「ナポリタンセット」スープ、ドリンク付き1,925円(税込) 「ナポカラset」唐揚げ、サラダ、スープ、ドリンク付き 2,090円(税込)

ナポリタンのソースの秘密を尋ねると、そこには深いこだわりがありました。

一般的に使われる市販のトマトケチャップは使わず、玉ねぎ、マッシュルーム、鶏ミンチをじっくり煮込み、素材の味を丹念に引き出した自家製のトマトソースが用いられています。

このひと手間が、昔ながらのナポリタンに奥深いコクとこの店ならではの品格を与えています。さらに、具材として使われている「明方(みょうがた)ハム」も、シェフのこだわりのひとつ。これは、長棟シェフの故郷、岐阜県の特産品です。地元への愛情と、良質な食材を追求する姿勢が、細部にまで表れています。そして、こっそり底に敷かれた薄焼き玉子にも、さりげない遊び心が。

冷え込む時期にいただく熱々の鉄板メニューは、心まで温める最高のごちそうです。
次回はぜひナポリタンを注文してみたいと思います。

スイーツも見逃せない

完璧なワンプレートに心が満たされた後も、この店の魅力はまだ尽きません。食後のひとときに、ぜひチョイスしていただきたいのが「昔ながらの焼プリン」です。

「昔ながらの焼プリンセット」バニラアイス、コーヒーor紅茶付き 860円(税抜)
「昔ながらの焼プリンセット」バニラアイス、コーヒーor紅茶付き 860円(税抜)

サーブされた「昔ながらの焼プリン」は、期待通りのしっかりとした固めの食感。ひと口いただけば、その優しい甘さにシェフの人柄が伝わってきます。焦げの苦味を抑えた控えめなカラメルがとても上品で、添えられたバニラアイスや生クリームの甘みと完璧に調和しています。

ひと口ごとに美味しさを実感する、感動的なスイーツでした。

提供されるすべてのメニューに、作り手の真摯な姿勢と食への愛情が深く息づいています。
そんな素敵な洋食屋が、この街にいつまでも変わらずあり続けてほしいと、静かに望んでいます。

すべては「良き語らい」のために

寡黙で真摯なシェフと、ホールを明るく切り盛りする明朗快活な奥様。対照的ながらも調和のとれた夫婦二人三脚で、「洋食 ピッコロ―サ」は、宣伝に頼ることなく静かに12年の時を刻んでいます。

同伴者の料理を時間差なく同時にテーブルへ運ぶタイミングも、ご夫婦の息のあった「バトンリレー」で実現。これら細部にまで行き届いた配慮も「小さい空間で良き語らいを」という、店名に込められた哲学から生まれています。

「ピッコロ―サ」とは、トルコギキョウの品種名でその意味は“小さなバラ”。

そのたしかな温もりと、変わらぬ洋食への愛情こそが、この店最大の魅力です。

【基本情報】

店名:「洋食 ピッコロ―サ」
公式Instagram(外部リンク)
住所:泉佐野市上瓦屋224-5
(Googleマップ参照)
Tel:072-461-2535
営業時間:(昼)11:30~14:30
/ (夜)17:30~21:30
定休日:月曜・火曜
駐車場:あり(店前に3台、店裏に1台駐車可)
取材協力 「洋食 ピッコロ―サ」
オーナーシェフ 長棟 薫 様
*記事内容は取材当時のものです。

この記事を書いた人

旅する日々の記憶と記録。matka08
ライター

旅する日々の記憶と記録。matka08

大阪・泉州在住。
7年の広告制作ディレクションを経て、2022年から4年間、Yahoo!ニュースにて地域記事を執筆。
計8回の最優秀記事賞(MVA)を受賞。
2026年春、同メディアの筆を置き、現在はウェブメディア等での執筆を続けながら、自身のマガジン『Blank.』の創刊に向けて、日々奮闘中。
フィルムカメラとノートが相棒。

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