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千葉県 -館山市

急遽決定!追加開催は明日まで。獣害にアートで向き合い、駆除された動物の命に新たな息吹を【館山市】

鹿の頭骨に鹿の目線で見える里山を描いたmatagot.さんの作品
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鍋田ゆかり

JR内房線館山駅から徒歩9分ほどの場所にある「YANE TATEYAMA(やねたてやま)」で、2月28日まで開催されていたジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」。ドイツ在住音楽アーティストが制作したBGMと、館山在住アーティストの作品が加わって、急遽2日間限定特別展が開催されています。

YANETATEYAMA
YANE TATEYAMA

ジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」

獣害として駆除される動物の中で、一番再利用されない頭骨にスポットを当てて12組のアーティストが参加した展示会です。 アーティストたちは南房総の獣害問題について学び、自らクリーニングして頭骨にして、命と真剣に向き合って作品を作りました。

「生命の残響」展示の様子
「生命の残響」展示の様子

頭骨クリーニングやジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」の詳細については、
ジビエ頭骨の新しい可能性。異種アーティストが頭骨クリーニングから作品作りまで実践して展示【館山市】で詳しく紹介しています。

「生命の残響」専用BGMが生まれたきっかけ

展示会の様子をSNSで見たというドイツ在住の音楽アーティストから、主催者である「atelier lab.伝右衛門製作所(でんえもんせいさくじょ)」の店主、大阪谷未久(おおさかだにみく)さんに連絡が届きました。

大阪谷さん「興味を持ってくださって、曲をつくりたいという連絡が届きましたが、この展示は地域のことを伝えるのが第一で、南房総の里山で起こっている問題を理解した上で協力してくれる人と作っていることを話しました」

アーティストたちが参加した頭骨クリーニングの様子や、一つ一つの作品についてオンライン上で2時間くらい話をした大阪谷さん。

頭骨クリーニングの様子 写真提供:大阪谷未久
頭骨クリーニングの様子 写真提供:大阪谷未久

その話を聞いて感銘を受けたアーティストの方が、「里山の音で音楽をつくろう」と提案し、大阪谷さんが地域で録りためていた音源をもとに、展示会場で流すBGMが作成されました。

BGMは3部構成になっていて、原木にシイタケの菌を打つときの音から始まる、朝をイメージしたもの。鳥や獣の鳴き声が入っている昼をイメージしたもの。地域の祭りの音を入 れた夜をイメージしたものから、また朝へと繰り返されます。

曲が出来上がったのは、展示会最終日の2月28日 でした。

館山市在住16歳のアーティスト作品と、2日間だけの追加展示

アクリル絵の具を使ってパターンを描く漆原星(うるしばらあかり)さん は、2023年、自身の作品を持って館山のイベントに出店した際に大阪谷さんと出会いました。その数か月後、「インスピレーションが沸いたときに描いてみて」 と、頭骨を預かります。

漆原さんは幼い頃からものづくりが好きで、小学校1年生くらいからパターンのデザインを描くようになり、現在の作品につながっています。自分の作品について、「ストーリーの無い模様を下書きせずに、筆が進むまま自由に描いています」 と話します。

漆原星さんの作品
漆原星さんの作品

今回の作品は、骨という「無」「静」「白」「死」 のイメージに対して、対極的な「有」「動」「色」「生」 というイメージで模様を重ねていったそうです。この作品を作った感想を聞いてみました。

漆原さん「頭骨はキャンバスと違って、てっぺんの部分は面だったり、目と耳の間の骨は細かったりと、部分ごとに形や面積が違うので、それに合わせて色や模様を考えながら描くのが楽しかったです」

漆原さんが頭骨の作品を持参したのもまた、展示会最終日の2月28日 でした。3月7日からは千葉県立美術館での展示が決まっていましたが、「行きたかったけど行けなかった」という声があったため、頭骨のふるさとである館山で急遽、2日間だけの追加展示を行うことに決めました。そこに、オリジナルBGMと、新たな頭骨作品が加わったのです。

作品に見入る見学者

追加展示初日に会場へ行ってみると、作品についてていねいに説明している大阪谷さんの姿がありました。

千葉市から来たという女性は、「捨てる部分をアートという形で活かしていて、死んでしまったけど、別のモノとして生かされていて、命の大切さとかアーティスティックなすごさを感じて、刺激を受けました」 と、感想を話してくれました。

期間中の来場者数はちゃんと出ていませんが、1日に20ほどの人手になった日もあったそうです。「思った以上にたくさんの方が来てくれました。みなさんがSNSで発信してくれていて、それを目にする機会も多かったです」 と大阪谷さんはうれしそうに話し、工 房での仕事があったため、来場してくれた方たちを案内する時間があまり作れなかったことを残念がっていました。

3月7日~16日まで千葉県立美術館で、「第1期アーティスト・フォローアップ事業 成果展」 として「生命の残響」も展示されます。

大阪谷さんは、「館山よりも、獣害などの地域の問題を知らない人たちが多いと思うので、地域の話をして問題を伝え、魅力につながるようにできたらと思います」 と話してくれました。

【展示会詳細】
名称:ジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」特別展
日時:2025年3月1日~3月2日
   10:00~17:00
入場:無料
場所:YANE TATEYAMA 2階
   〒294-0045 千葉県館山市北条1625ー25
主催者:atelier lab.伝右衛門製作所のinstagram
取材協力:atelier lab.伝右衛門製作所、漆原星

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この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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