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千葉県 -館山市

ペーパーハンターに告ぐ!実績をつんで師匠と仲間をつくるプログラム、イノカリに参加すべし【館山市】

仕留めたイノシシ
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鍋田ゆかり

わな狩猟免許は持っているけれど、狩猟できる場所がなかったり、不安があったりしてそのままペーパーハンターになっている人たちに朗報です。プロの猟師と地域が全面サポートしてくれる、有害鳥獣捕獲従事者支援サービス「イノカリ」が、4月から始まる第2期生を募集しています。

イノカリってどんなサービス?

イノカリのフライヤー
イノカリのフライヤー

狩猟経験がなくて、館山に住んでいない人でも、わな猟免許を持っていれば狩猟ができるサービスです。


そもそも、狩猟免許保持者は基本的に狩猟期の11月~2月しか猟ができません。獣害対策における捕獲は、基本的にその地域に住んでいる人しか行うことができません。
なので、都会に暮らす人が、一年中狩猟を行いたいと思っていても、難しい現実があります。


また、獣害対策を行っている地域の方でも、高齢化が進み猟を行える人が減っているのが現状です。一般社団法人地域共同獣害対策推進協会の松坂義之さんによると、現在館山市で管理捕獲に従事している人が200人ほどいますが、平均年齢は65歳くらい。主力で動いているのは70代で、80代の人もいるそうです。罠は1人30個かけられるので、従事者が1人減ると30個の罠が減ることになります。

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般社団法人地域共同獣害対策推進協会の松坂義之さん
一般社団法人地域共同獣害対策推進協会の松坂義之さん

松坂さん「ぼくは15個しかかけていません。歳をとると、30個もかけられない。イノシシの増加率は1年で1.6倍なので、1000頭いたら翌年は1600頭になります。そうなると、外から人を入れるしかありません。入れる地区を限定して市外の人を入れ、私たちがきちんと有害鳥獣の捕獲をサポートするサービスが、イノカリです」

肉の解体から販売、スカルトロフィーまで

2024年9月に募集を開始し、11月からこの3月まで8名が活動しています。参加者たちは免許を持っているだけの初心者で、罠のかけ方は知っていても実践したことはないし、かかった後の「止めを刺し(獲物にとどめを刺すこと)」のやり方も経験もありませんでした。

イノカリメンバーの館山市有害鳥獣捕獲従事者証
イノカリメンバーの館山市有害鳥獣捕獲従事者証

運営陣も初めてだったので、どのくらい面倒をみなければいけないのか、どんなサポートが必要なのかも手探りでしたが、8名という人数は参加者たちの様子を見ながら手伝って、運営陣が慣れるためにもちょうどいい人数でした。

指導を受けながら自分たちで捌く様子
指導を受けながら自分たちで捌く様子

捕ったあとの選択肢は4つ。自分たちで捌いて自家消費する場合は、自家消費用解体施設で解体。肉は要らないけどお金になるのは、「館山ジビエセンター」で1キロ100円で買い取ってもらう方法。売り物としての肉が欲しいときは、「ジビエ堂」で1キロ1000円で委託して解体してもらい、放射能検査後真空パックにして出荷してもらう。全く不要なときは、有害鳥獣焼却施設で焼却、という方法があります。

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分たちで捌いた鮮度抜群のイノシシ肉でジンギスカン
自分たちで捌いた鮮度抜群のイノシシ肉でジンギスカン

松坂さん「みなさん、最初は自分で解体しています。来れないときは、イノカリスタッフが1万円で1頭解体してあげるサービスもありますが、みなさん時間を調整して来られますね。皮も持って帰るし、頭も、港に許可をもらって頭の骨を海に沈めてスカルトロフィーにすることができます。角だけ欲しいとか、色んな使い方を皆さん考えています」

センサーを使って効率よく猟をする仕組み

松坂さんが館山との二拠点生活をしているとき、有害鳥獣対策を行っていた地域おこし協力隊員が主催した、ジビエ解体ワークショップに参加しました。そこで、「狩猟免許を取ったら、面倒見てあげるよ」と言われたのが始まりで狩猟免許を取り、地域おこし協力隊員に。そのとき使っていたのが、狩猟用のセンサーでした。

狩猟用センサーとLINEに届くメッセージ
狩猟用センサーとLINEに届くメッセージ

10個罠をかけたら10個見回りに行きますが、どこの罠に獲物がかかっているのかが分かっていれば、一番最初にその罠へ行くことができます。また、事前に罠にかかったという情報が来るので予定を立てやすく、松坂さんが都内にいるときでもLINEのやりとりで他の人が現地に向かうこともできました。

イノカリグループに届いた狩猟用センサーからのメッセージとやりとり
イノカリグループに届いた狩猟用センサーからのメッセージとやりとり

実際にこのセンサーを利用していて便利だったため、それをそのままイノカリでも使用。免許を取ったものの、誰も現場で教えてくれず、唯一前任の地域おこし協力隊員だった人 が教えてくれたものの、実体験できるケースが少なかったため覚えきれないこともありました。その体験から、ちゃんと指導して狩猟をしてくれる人が増えれば、従事者も増えるというベースが、松坂さんにはありました。


イノカリメンバーはLINEグループ上で、いつ誰の罠に獲物がかかったのか知ることができ、その後のやりとりもスムーズに進めることができるそうです。

全国的にもめずらしいイノカリの取り組み

イノシシをソリに乗せて運ぶメンバーたち
イノシシをソリに乗せて運ぶメンバーたち

箱罠で同様の仕組みをやっているところもありますが、くくり罠でもやっているところはなかなかないと松坂さんは言います。その理由はさまざまですが、やはりそこに住んでいない見ず知らずの人が、自分の地区に入って猟をするというのは受け入れにくい現状があります。


いろいろなハードルを超えて、館山市の中でも作名(さくな)地区でだけ、活動することができるようになったイノカリ。地区の住人全員に同意をもらっていますが、全員が自分の土地を提供してくれた訳ではありません。裏山を提供してくれた協力者がいて、そこでのみ活動をしています。

くくり罠にかかったイノシシ
くくり罠にかかったイノシシ

去年の11月に始まったこの取り組みですが、参加者たちは毎週のように作名地区に足を運び、活動を楽しみ、成果がでています。その様子をみていた地区の住人からは、「うちの山でもやってほしい」と声が上がりはじめました。その声は地区を飛び越え、他の地区にも飛び火しています。


全国的に耳にする有害鳥獣問題と捕獲従事者の高齢化問題。その解決へ向けての一つの選択肢が、ここ館山で成功しているといっても過言ではありません。現在、イノカリ第2期生を募集中で、締め切りは3月23日です。この機会にペーパーハンターを返上し、ハンターとして活躍してみませんか?


4月5日~6日は、狩猟免許不要のイノカリワークショップを開催。罠猟をリアル体験したり、イノシシ肉を使ったジビエ料理を楽しんだりできます。詳細は下記Facebookページをご確認ください。

イノカリFacebookページ
一般社団法人地域共同獣害対策推進協会Facebookページ
取材協力・写真提供:一般社団法人地域共同獣害対策推進協会

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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