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千葉県 -南房総市

風になびくクジラ、歩くヤギ。校庭にサバンナが出現!?廃校を利用した動物のリアル写真展【南房総市】

SHIP SKY GALLERY とヤギ
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鍋田ゆかり

約3キロの砂浜が続く穏やかな海。東京からのアクセスはいいのに、見える景色は東京とは全然違う南房総の岩井地区は、「遠くのハワイより近くのイワイ」というキャッチフレーズで親しまれている場所です。そんな岩井海岸から徒歩2分の場所にある、渋谷区「旧富山臨海学園」を借り受けて再生したローカル複合型施設「SHIP(シップ) =
SHIBUYA IWAI PARK」で、「SHIP SKY GALLERY(青空動物写真展)」が開催されています。SHIPを運営している南房企画株式会社副代表の、磯村芳子さんに話をうかがいました。

ほんの少し、動物たちの世界に近づける写真展

左から、南房企画株式会社副代表の磯村芳子さんと、代表の牧野圭太さん
左から、南房企画株式会社副代表の磯村芳子さんと、代表の牧野圭太さん

ネイチャーフォトグラファーの上田優紀さんと、南房企画株式会社代表の牧野圭太さんは10年来の付き合いがあり、上田さんがエベレストを目指したときにも支援をしていたそうです。SHIPを立ち上げた当初、上田さんも何度かこの場所を訪れていました。


そんな2人が、ここSHIPを使ってやろうと思ったのは、ただの写真展ではありません。絶滅危惧種といわれている動物たちの“今”を、写真を通してリアルに、ダイナミックに伝えることでした。

校庭のサバンナを歩くリアルヤギと、ほぼ等身大アフリカゾウ
校庭のサバンナを歩くリアルヤギと、ほぼ等身大アフリカゾウ

外の空気や風を感じながら、少しでも動物たちの世界に近づけるように、動物たちが暮らしている屋外にも写真を展示。一部の写真は、リアルな動物たちの大きさを体感できるように、等身大に近いサイズでプリントしています。

話を聞いているだけでわくわくして、早く展示を見に外へ飛び出したくなりますが、プリントしたものを屋外で展示し続けることで、紫外線による劣化などはないのか心配にもなりました。


磯村さん「初めての取り組みだったので、試行錯誤しました。劣化によって会期の最初と最後で写真が変化しないように、展示期間を1カ月に設定しました。テントに使われるターポリンという生地にプリントしているので、雨に強いです。外にほぼ等身大のザトウクジラが展示されていますが、風になびいて動くので、生命を感じられます」

風
に吹かれて心地よさそうに泳ぐザトウクジラと、こちらを見つめるブラックベア
風に吹かれて心地よさそうに泳ぐザトウクジラと、こちらを見つめるブラックベア

なるほど。屋内に展示しても劣化が少ないといわれているターポリンは、風にあおられやすいというデメリットがありますが、そのデメリットでさえ動物たちの生命力に結びついているということですね。

トークイベント「動物をとること」

青
空動物写真展と、トークイベントのフライヤー
青空動物写真展と、トークイベントのフライヤー

SHIPのwebサイトや写真展のフライヤーでは、上田さんの声もたくさん紹介されています。ですが、できることなら生の声を聞きたいと思うし、主催者としても生の声を届けたいと思うもの。


磯村さんは、南房総エリアで野生動物に向き合っている人は誰か、考えました。そこで浮かんだのは、野生動物の骨や皮を通して生と死を伝えている、ジビエレザー工房「atelier lab.伝右衛門製作所」の大阪谷未久さんでした。


「個人的に、2人の化学反応を見てみたい」と言う磯村さんは、野生動物の写真を“撮る”上田さんと、獣害対策として野生動物を“獲って”それを生かしている大阪谷さんのトークイベントを企画しました。それが、春分の日に行う「動物をとること」です。

校庭サバンナで、周囲をチェックする母チーター
校庭サバンナで、周囲をチェックする母チーター

磯村さん「野生動物の危機を伝えたいと思いつつ、割とおこがましいことだと思うので、まずは気軽にふらっと来てもらって、楽しんでもらえたらと思います」

現実と非現実の交差点

SHIPのカフェスタンド
SHIPのカフェスタンド

SHIPにはカフェがあり、ドリンクやジェラートを提供しています。土日祝日はそこにクレープが加わるので、トークイベントの日はクレープも味わえます。

店内でくつろぎながら写真も見られる
店内でくつろぎながら写真も見られる

「お弁当を持ってきて外で食べるのも大歓迎です」と話す磯村さんの言葉を聞いて、等身 大の動物と写真を撮るだけでなく、一緒にピクニックまでできるなんて、想像しただけで楽しくなりました。


SHIPの敷地では、ヤギの“シー”と“プー”が自由に歩き回っています。写真を設置したときは、ヤギたちも写真に興味を示して見入っていたそうです。アフリカゾウやナンキョクオットセイのほぼ等身大写真と同じ場所に、ヤギがリアルに動いている。3階の展示室から見える、リアルな海や景色。風に揺られて、本当に泳いでいるようなザトウクジラの写真。今ここにあるリアルと、今ここにないリアルが交差するSHIPの庭は、まるでタイムスリップの入口が点在する空間のようでした。

ナンキョクオットセイと会話しているかのようなヤギの“プー”
ナンキョクオットセイと会話しているかのようなヤギの“プー”

3階の展示では、世界の動物たちの危機を数字で表しているので、そこでぐっと現実に引き戻されます。私たちの暮らしが、野生動物たちの暮らしにどう影響しているのか。私たちができることは何なのか。改めて考えさせられました。

SHIPのSKY GALLERYページには、展示されている動物たちの説明や上田さんのコメントが掲載されているので、携帯でチェックしながら展示を見るのがおススメです。

【写真展情報】
名称:SHIP SKY GALLERY(青空動物写真展)
日時:2025年3月9日~3月31日
10:00~17:00
休み:毎週木曜日 ※3/20祝日は営業
入場:無料
場所:ローカル複合型施設「SHIP(シップ) = SHIBUYA IWAI PARK」 
〒299-2216 千葉県南房総市久枝784
公式webサイト

【トークイベント情報】
名称:トークイベント「動物をとること」
日時:2025年3月20日
11:00~12:00
入場:無料
場所:ローカル複合型施設「SHIP(シップ) = SHIBUYA IWAI PARK」      〒299-2216 千葉県南房総市久枝784
公式webサイト
取材協力:ローカル複合型施設「SHIP(シップ) = SHIBUYA IWAI PARK」

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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