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千葉県 -南房総市

やわたんまちの神輿を支える“神の酒”が神社でつくられる瞬間【南房総市】

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鍋田ゆかり

約1300年前から続く「神酒づくり神事」を行っている莫越山神社(なこしやまじんじゃ)で、清酒のしぼり作業が行われました。神社で清酒の醸造を行っているのは、伊勢神宮、出雲大社、岡崎八幡宮と莫越山神社の4カ所のみで、南房総市無形民俗文化財に指定されています。ここでつくられた清酒は、安房地域最大の祭礼「安房国司祭やわたんまち(以下、やわたんまち)」に出祭する莫越山神社の担ぎ手たちに振る舞われ、神輿とともに安房国の総社・鶴谷八幡宮(つるがやはちまんぐう)へ運ばれて奉納されます。

鶴谷八幡宮境内にある長宮(ながみや)に納まった各地の神輿
鶴谷八幡宮境内にある長宮(ながみや)に納まった各地の神輿

毎日神酒の世話をし続けて

8月3日に氏子たちが集まり、「醸造始奉告祭」を行ったあと丁寧に仕込まれた清酒は、宮司の齋東清道さんや権禰宜(ごんねぎ)の齋東眞弓さんが毎日撹拌し、20度以下になるよう温度管理を続けてきました。

醸造始奉告祭を行った齋東宮司と氏子たち
醸造始奉告祭を行った齋東宮司と氏子たち

この期間、一番困るのは停電です。エアコンは停電後に自力で回復しないため、短時間の停電があったことに気づかない場合があるため、注意が必要になります。


「令和元年台風のときはまだ停電中だったので、懐中電灯の灯りでしぼり作業をやっていました。既に電気が復旧していた鶴谷八幡宮の宮司が訪れて、その様子に絶句していました」と、齋東宮司は当時の様子を振り返ります。今年は大きなトラブルもなく、無事にしぼり作業を迎えることができました。

清酒の香りに包まれながらのしぼり作業

神酒つくり

9月11日のしぼり作業に集まったのは、7人の氏子たち。柄杓で清酒を布製のしぼり袋に入れ、しぼるための「槽(ふね)」に移していく醸造所内は、フレッシュなお酒の香りが漂っていました。その場にいるだけだと「いい香り」でしたが、間近で作業をしている人 たちは「酔っぱらっちゃうよ」と言う人も。

神酒つくり


重で槽から清酒が流れ出て樽に注がれる音と、周囲に広がるお酒の香りが何とも言えません。しぼり袋の中がある程度減ると、袋の口をくるくると巻いて折り畳み、その口を槽の壁側にして中身が出るのを防ぎます。

神酒つくり

槽の一段目に4袋を配置。二段目にも4袋が互い違いになるように置き、木の蓋をして万力(まんりき)を重し代わりに乗せて、その圧で少しずつしぼります。ある程度しぼられて槽の中にスペースができたら、三段目に新たに4袋を追加。この時点で、ちょうど昼時を迎えていました。


このあと圧をかけ、1時間ごとに万力の調整を行い、3~4時間おきに均等になるよう、しぼり袋を積み替えます。こうして、24時間かけてじっくりとしぼります。

神酒つくり

今年から、清酒づくりに使う米の生産者が変わり、精米所も変更されました。この地区で育てられたコシヒカリであることに変わりはありませんが、田んぼや精米方法が変わったことが、味にどう影響するのか、しないのか……。明日、東京国税庁、千葉東税務署、館山税務署の職員らが計量に訪れ、試飲が行われる予定です。

【詳細情報】
名称:莫越山神社
住所:〒299-2526 千葉県南房総市沓見253
取材協力:莫越山神社

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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