【善通寺市】チームラボの作品が旧偕行社に登場 「お絵かきフライト」の楽しみ方を聞いたよ
WRITTEN BY ちぃちぃ
毎年、干支の動物を主人公にした「えほんカレンダー」を制作している画家の和久千文さん(丸亀市在住)。今回は4月始まりのカレンダーで、干支の馬を主人公にした絵と物語を紡いだ作品が完成しました。でも、表紙を見ると、和久さんらしいファンタジックで彩り豊かな世界がありません。なぜだろう。そんな疑問を和久さんに質問してみました。
来年度のカレンダーのタイトルは「きみはどんな色?」です。主人公の馬は灰色の世界に住んでおり、花を咲かせようとしたのですが、うまくいきません。そこに4匹のネズミがやってきて、さまざまなアイデアや体験をもたらします。すると馬の尻尾が、さまざまな色に色づいていき、1年の終わりには馬の周辺はカラフルな世界に変貌しているーーという物語です。

作品には動物たちの姿が生き生きと描かれており、1年を共に過ごすとこちらまで優しい表情になってしまいそうです。物語の途中で、馬は白い花を咲かせることができました。この場面は、カレンダーの持ち主にも1年で「何色かの花を咲かせてほしい」という和久さんの願いが込められているようです。
和久さんに聞いてみました。「最初はグレーの基調なので描くにの苦労しました。馬を描いたのは初めてで、動物園に行って撮影した写真などを参考にしました。ただ、どれくらい擬人化できるものか塩梅も難しかったです。例えば、馬に筆を持たせる時も蹄にバンドを付けるなど工夫しました」と教えてくれました。
物語は、馬が花を育てることと馬の周辺の色が増えていくという2軸で展開されます。馬の心のあり方と体験からもたらされる色が交錯しているようです。「普段の私の作品よりも、しっとり目に表現されています。5月から7月までの絵で、作品に外枠を付けて、季節を表現しているところが気に入っています」
実は、この物語の背景には、和久さんが飼っていたデグー(ネズミ)と死別したエピソードがありました。

「デグーのセージとミモザが2年前に亡くなりました。2匹は私の作品のモデルでした。デグーと私が出会ったことで、さまざまな体験をさせてもらい、私の世界に彩りが増えました。作品には、デグーから私がもらったものを絵として残すことで、大事にしたいという思いを込めました」
和久さんの心に彩りを与えてくれたデグーたち。その感謝が、物語の中で馬の尻尾を染めていく色として表現されています。
物語の途中で、主人公の馬のところに旅の馬がやってきます。その馬にも、カラフルな尻尾が移っていく場面があります。ここでは、さまざまな体験がそれぞれに移っていくということが描かれています。和久さんとデグーの体験が象徴されている場面です。

最後には、ネズミからもらったカラフルな色で、馬の部屋は彩り豊かに変貌します。この場面と対比する意味合いもあり、表紙はあえて色合いを抑えて、グレーの基調でまとめられていたのでした。作品を読んだ私は、平凡な灰色で始まった1年でも、さまざまな出会いを通して、カラフルな1年を締めくくりたいという気持ちになりました。
和久さんの作風は、動物の表情がかわいらしい彩り豊かでファンタジックな世界観です。この作風は、5〜6年前からのもの。今回の画材は、透明水彩絵の具と色鉛筆と丸ペンと耐水性黒インクです。

「透明水彩絵の具は透明度が高く、一度塗っただけでは薄づきです。何度も重ね塗りをする部分もあります。パレットに一度出すと水をつければ何度でも描けるところが気に入っています。それに、発色が淡いので、優しい雰囲気に仕上がります」
普段からパレットは2枚出しており、30色から40色の絵の具を出しているそうです。日常生活の他の作業と並行しても、続けて絵を描きやすいところも便利なのだと教えてくれました。
今回の作品で苦労したところは、馬の表情やポージングだとか。「馬らしさを残したまま、ポーズをつけるのに苦労しました」。一方、楽しかったことは、いろいろな絵の構図を自由にメリハリをつけてできたこと。「カレンダー全体が出揃った時に、イメージに近い感じで完成させられました」

カレンダーの最後を締めくくる3月の絵は、和久さんらしいファンタジックな世界が全面に広がっています。来年の干支の羊も登場し、馬の尻尾から抽出した色で羊からとった毛糸を染め、その糸で編み物をするという姿も描かれていて、とても賑やかです。3月の絵は完成までに1週間から10日をかけたそうです。
和久さんは、今後も干支シリーズの「えほんカレンダー」は続けていきたいと思っています。「絵本の形で読みたいと言ってくださる方もいるので、絵本の出版もやってみたいと思っています」と夢を語ってくれました。
カレンダーの販売は、大西食品(丸亀市風袋町178)で取り扱っています。1500円です。

また、6月17日から21日まで、善通寺市美術館で和久さんら4人のグループ展が開催されます。今回のカレンダーの原画などが展示される予定です。
最後に、和久さんは「カレンダーの絵を楽しんでいただいて、お話の中では色と馬が育ている花の2軸に注意して見ていただけると嬉しいです」と話していました。
物語の中で、馬が咲かせた花は白でした。もうすぐ来年度が始まります。学校や職場で、来年度はどんな色の花を咲かせることができるでしょう。和久さんのカレンダーと共に、仲間の大切さを感じながら1年を過ごすことができたら素敵だなと感じました。
基本情報
名称 : 2026年度えほんカレンダー「きみはどんな色?」
問い合わせメール : cfm.waku@gmail.com(和久さん)
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ちぃちぃ
ヘルシーなごはん、そして、雰囲気を含めた「心地よい食体験」が大好きです。時には、知的な発信も手掛けたいと思っています。香川県丸亀市・善通寺市を中心としたエリアの情報を楽しんでいただけたら嬉しいです。
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