【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
南国気分を味わえる館山市の観光施設「アロハガーデンたてやま」が、3月31日の今日、閉園します。閉園を目前にした最終日曜日に開かれた「フラ・タヒチアン」フィナーレステージと園内の様子を、副園長の安西里枝さんのお話とともにお伝えします。

房総フラワーライン沿いにあるアロハガーデンたてやまは、「南房(なんぼう)パラダイス」という施設が閉鎖されたあと、2014年9月にオープンした施設です。安西さんは、南房パラダイスのときからこの施設に勤めていたので、合計20年ほどを施設とともに過ごしてきました。
今の施設に生まれ変わるとき、ペンキ塗りをしたり、施設内に設置されている椅子を一から作り、ニスを塗ったりと、それこそ汗水たらしながら作り上げた場所だといいます。ですが、コロナ禍や鳥インフルエンザ、房総半島台風でのあおりを受け、閉園することになってしまいました。
安西さん「通達を聞いたときは、言葉になりませんでした。あのときあれしたね、これしたねという思い出がたくさんありすぎて、悲しいし寂しいです。今日のフラのステージですら、二度とないと思うと悲しい」

最後の日曜日である3月30日10時過ぎに訪れると、第一駐車場はほぼ満車で、第二駐車 場にもすでに何台か停められていて、チケット売り場には行列ができていました。
安西さん「3月の週末は、600~800人の人が訪れてくださり、毎日がゴールデンウィークみたいです。平日も日曜日の忙しいバージョンで、春休みに入ると更に客足が増えて、従業員もびっくりしています。地元の方も、小さい頃に来たから最後にもう一度来てくれる方もいらっしゃいました」
アロハガーデンたてやまには「フラテラス」があり、毎週土日祝日にいろいろなダンスチームが、フラやタヒチアンを披露していたため、そのときによって違うショーを楽しめていました。「フラ・タヒチアン」フィナーレステージでは、横浜など県内外を含む5チームがダンスを披露しました。私が見たのはこの日最初のステージで、神奈川県にあるタヒチアンダンススクール「TOKAI」と、地元館山市にある「アン・クリス スイートフラ&タヒチアンスタジオ」のステージです。

200人ほどが座れる、従業員が手づくりした椅子は満席で、周囲には立ち見の人だかりが。その客席の中を、2人のダンサーが歌を口ずさみながら進み、ステージに上がりました。ヒョウタンで作られた打楽器、イプヘケを奏でながら歌う人に合わせて、厳かな雰囲気でステージの幕が開きました。
望遠レンズのカメラを手にしたプロのようなカメラマンも多数いるなか、フラからタヒチアンへと変わり、体格のいい男性陣の迫力あるダンスや、小さな子どもたちのダンスなど、ノリノリで見ていて笑顔になるステージに会場は盛り上がります。館山市のマスコットキャラクター「ダッペエ」も、ステージのすそでダンスをしていました。

鴨川市から訪れたという男性は、「平日にきたときにショーを見られなかったので、先週初めて週末に来て、ショーを見ました。今日は、最後のステージまで見ます」と、立派なカメラを首から下げて、楽しそうに話してくれました。
最前列に座っていた女性陣たちは、市内から友だちと待ち合わせをして見に来たそうです。「フラのステージを見に、よく来ていました。見られる機会がなくなるから、寂しいしショックです。新しい演目もあるので、最後まで見ます!」と、3ステージ全てを見る気満々の方たちでした。
ステージに立った11歳と8歳の女の子は、「緊張したけど、楽しかった」「笑顔でできて楽しかった」と、ダッペエとの記念撮影を済ませたあとに話してくれました。
男性のダンサーは、「最後だから寂しいけど、ダンサーとして育ててくれた場所なので、精一杯楽しく踊ろうと思いました」などと感想。見ていても、ステージ上から楽しさと力 強さが伝わってくる、素晴らしいショーでした。


「アロハZOO」のヤギたちの前には、エサを持った親子連れがたくさんいて、ヤギたちはエサをくれそうな人たちの前に大集合。それはヤギだけではなく、ブタやカピバラも同じで、動物たちにとってはたくさんエサをもらえるゴールデンウィークのような時間を過ごしているのではないでしょうか。

埼玉から来ていた家族は年に1,2回訪れていて、今回アロハガーデンたてやまにも来る予定で、計画を立てていました。そしたら、閉園というニュースを後から聞いて、「間に合ったから良かったけど、寂しい」と声を漏らしていました。
地元館山市民も、県外に住む家族と一緒に訪れていて、友だちや家族が来たときによく訪れていたそうです。初めて来たという家族は、「最後に来れてよかったけど、残念です。めっちゃ大きい公園みたいで、車もないから安心だし、子どもたちを放し飼いにしていい公園みたい」と話していました。
多くの人が気にかけていたのが、訪れる人たちに癒やしを与えてくれる動物たちの行方です。安西さんによると、動物園などへの搬出先が9割決まっていて、4月から動物の移動が始まるとのこと。施設を運営している親会社は造園業なので、植物も譲渡など利用方法が決まっているようです。

ここには何度か来たことがありますが、そういえば「アロハタワー」には登ったことがなかったので、この日初めて登ってみました。朝はとても寒くて曇っていたのがウソのように、太陽が顔を出して晴れたこの日。タワーからの景色は、ヤシの木などの緑と穏やかな海。

滑り台などの遊具がある「キッズ広場」では、芝生に座ってお昼を食べている家族連れがいて、園内に流れるハワイアンミュージックに子どもたちが遊ぶ声が重なって、ほっこりする空間になっていました。
「最後の最後までお客さまが楽しめて、館山にアロハガーデンがあったという思い出に残ってくれたら」と、安西さんは目頭を熱くして話してくれました。3月31日の最終日、訪れる人はもちろん、動物にとっても、ここで働いてきた従業員の方たちにとっても、素晴らしい一日になることを願わずにはいられません。
南房パラダイスのときから、何度も訪れたことがあるこの場所がなくなるのは、移住者の私でも寂しいと思うので、地元の人や、家族との思い出がある人はなおさらでしょう。まだ今後のことは何も決まっていないと聞きますが、願わくば、この施設をうまく利用して、市民に愛される場所として再び生まれ変わってくれたらと思います。

【詳細】
名称:アロハガーデンたてやま
日時:2025年3月31日閉園
場所:アロハガーデンたてやま
〒294-0224 千葉県館山市藤原1497
公式webサイト
取材協力:アロハガーデンたてやま
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バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。
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