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神奈川県 -藤沢市

「救急車が来るまでに…」女子高生のひと言が映し出す「藤沢市の現実」“救命の現場”で今何が?

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ころんころ

28,129件、そして25,534人。

これらは、令和7年1月1日から12月31日までの1年間に、藤沢市消防局が対応した救急出動件数と、救急搬送された人の数。

この数字は増加傾向にあり、救急車が到着するまでの時間をどうつなぐかが重要な課題となっています。

そこで本日は、もしもの時に慌てないため、応急手当の知識と技術を学ぶ「救命講習」を詳しくご紹介します。

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藤沢市消防局・救急救命課 主任 消防士長 野林さん

藤沢市の「救命講習」とは

藤沢市の「救命講習」とは、応急手当の大切さを市民に伝え、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使用を身近な場面で適切に行えるようになることを目的に、定期的に実施されている講習のこと。参加をすれば、救急の現場で役立つ基本的な知識と技術を学ぶことができます。

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約30名が参加した「上級救命講習」(2026年1月20日開催/湘南台市民センター)

同講習について、「中学生からシニア世代まで、幅広い年代の方が受講しています。救急車の出動件数が増える中で、現場到着までに時間を要するケースも想定されるため、今後ますます重要になると考えています」と話すのは、藤沢市消防局・救急救命課 主任 消防士長の野林さん。

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藤沢市では、近隣の市町に比べて「救命講習」の開催が活発に行われており、市民が実際の場面で胸骨圧迫や人工呼吸、AEDの使用などを行い、講習で学んだ内容が現場で役立った事例も多く報告されているといいます。

レベル別で選べる3種類の講習

藤沢市が開催する救命講習は、「普通救命講習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「上級救命講習」「応急手当普及員講習」の3つに大きく分かれています。それぞれレベル別の内容となっており、経験や目的に応じて無理なく受講できます。

「普通救命講習Ⅰ」成人の傷病者に対する心肺蘇生法及びAEDの使用方法を学ぶ講習。
「普通救命講習Ⅱ」Ⅰの内容に筆記試験・実技試験が加わった講習。
「普通救命講習Ⅲ」乳幼児の傷病者に対する心肺蘇生法及びAEDの使用方法を学ぶ講習。

「上級救命講習」成人及び乳幼児の心肺蘇生法とAEDの使用方法に加え、搬送法や体位管理など、各種応急手当の方法を学ぶエキスパートコース。

「応急手当普及員講習」普通救命講習の指導員を養成するコース。

※受講対象者は、市内在住・在勤・在学の中学生以上の方(上級救命講習・応急手当普及員講習は受講条件を満たす方)。
※「普通救命講習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「上級救命講習」は無料で受講できます。「応急手当普及員講習」のみ、テキスト代(3,960円程度)が必要です。
※講習内容を継続して身につけていただくため、3年ごとの再受講をおすすめしています。
※乳幼児の託児付き救命講習も開催しており、子育て中の方でも参加しやすい環境が整っています。詳細は藤沢市消防局 救急救命課へお問い合わせください。
※開催日程や所要時間、申し込みについては、藤沢市公式ホームページ(救命講習について/外部リンク)をご確認ください。

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机の上だけでは終わらない―“現場の消防士”が教える実践型の学び

「救命講習」では、消防局の職員やボランティアが講師となり、座学と実技を組み合わせた講習を行います。藤沢市の現状を踏まえた知識を学ぶとともに、実際に手を動かしながら理解を深められるのが特徴です。

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実技では、人工呼吸や胸骨圧迫の方法、AEDを用いた電気ショックなどを含む心肺蘇生法を習得。

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胸骨圧迫

「上級救命講習」では、毛布や棒などを利用して簡易的な担架を作り、迅速に負傷者を移動させる「搬送法」や、清潔な布で傷口を強く押さえる「直接圧迫止血法」など、より踏み込んだ応急手当も実技形式で学びます。

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簡易担架を使った搬送法の実技

受講者が語る「救命講習への思いと得られたこと」

本年度、「普通救命講習Ⅰ・Ⅲ」「上級救命講習」を受講した市内在住の高校生・脇さんは、「医療系への進学を考えていて、その一歩として講習に申し込みました。消防局の方から直接お話を聞くことで、藤沢市の課題についても知ることができました。自信はないけれど、救急車が来るまでに、私にできることをしたいです」と話します。

また、介護施設に勤務する受講者からは、「仕事柄、救急車を要請する場面が多いため、日頃の業務に生かせる知識を学びたいと思い受講しました」といった声も聞かれました。

子育て中の方や高齢の家族がいる方、これから社会に出る学生など、日常の“もしもの場面”に備えたい人にとって、実践的に学べる「救命講習」。受講後には修了証が発行され、履歴書などにも記載できます。

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年間受講者「1万人」を目指す理由

現在、年間250回近く開催されている「救命講習」。参加者は年間8,000人ほど。人口44万人都市としては多いものの、藤沢市消防局はかねてから「年間1万人」を目標に掲げています。

その背景の一部には、救急車のひっ迫があります。

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「救急出動が増えている背景には、高齢者人口の増加があります。令和7年は、65歳以上の方が救急搬送の約6割を占めました。あわせて緊急性の低い要請もあり、出動が重なると近くの救急車が向かえないこともあります。本当に必要な方の命を守るためにも、救急車の適時・適切な利用に加え、到着までの間にできる応急手当を知っておくことが重要です」(藤沢市消防局)

藤沢市消防局が「救命講習」で“最も大切にしていること”

野林さんは、講習で“最も大切にしていること”としてこう語ります。

「心臓や脳の症状は、治療開始までの時間が回復に大きく影響します。だからこそ、胸骨圧迫やAEDの使用といった勇気のいる応急手当を、ためらわず行えるようになってほしいという願いを込めて講習を実施しています」

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こうした思いのもと、知識や技術を学ぶだけでなく、“もしもの時に行動できる人”を育てる場としても期待されている藤沢市の「救命講習」。

ぜひ一度、参加してみてはいかがでしょうか——

「救急車が来るまでに、私にできることを」身につけるために。

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※本記事内の写真の一部は、2026年1月20日に実施された「上級救命講習」終了後に撮影しています。

基本情報
藤沢市消防局

公式 ホームページ(外部リンク)
公式 ホームページ(救命講習について/外部リンク)
※詳細は公式サイトをご確認ください。

取材・撮影・校正協力
藤沢市消防局救急救命課 主任 消防士長 野林様
市内在住 高校生 脇様

この記事を書いた人

ころんころ
ライター

ころんころ

神奈川県を中心に活動するライター。
「読まずにいられない記事タイトル」を信条に、地域の魅力や出来事を伝える。

2021年~2026年まで Yahoo!ニュース エキスパート 地域クリエイターとして活動。
2024年には ベストエキスパート2024 を受賞。

このほか、昭文社「まっぷるトラベルガイド」をはじめ、複数媒体・紙面で執筆。現在は「湘南経済新聞」などで執筆する。

元証券会社人事部出身。
年金アドバイザー資格(最上位2級)を持ち、キャリアや生活に関するテーマにも強みを持つ。

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