【横浜市】カフェなのになぜ“ホテル”?店名に刻まれた奥深い歴史とオープンへの想い「桜山ホテルカフェ」
WRITTEN BY 佐原ねお

数々の著名人に愛され、時に映画やドラマ、MVのロケ地ともなってきた、まさに世代を超えた“横浜の憧れ”とも言える山下公園向かいの「ホテルニューグランド」。
横浜発祥といわれる「スパゲッティ ナポリタン」「シーフードドリア」「プリン・ア・ラ・モード」を最初に考案し発信したことでも知られるところ。今回はそんなホテルニューグランドの歴史に触れ、異国情緒あふれる世界観に没入できるプランなどをご紹介していきます。

取材にご対応いただいたのは広報の横山ひとみさん。今年の夏に「ぜひホテルニューグランドを紹介させて欲しい」と強く感じたエピソードがあり、今回は館内を案内していただきながら、ホテルのとっておきプランを紹介していただくことになりました。
プランとエピソードについてはまた後ほど紹介させてもらいます。

ホテルニューグランドには、横浜市認定歴史的建造物・近代化産業遺産である本館と、1991(平成3)年に建てられたタワー館があり、それぞれ繋がり合っています。そのためタワー館フロントを一歩進むとそこはもう本館。

タワー館フロントに近い通路では、横浜の歴史と並行してホテルニューグランドの歴史が紹介されているコーナーがあります。横浜のなかでは一番歴史が深い、ホテルニューグランドならではのスポット。

かつて「横浜村」であった時代から、開港して世界的な貿易港にまで発展した横浜。関東大震災の復興のシンボルとして開業したホテルニューグランドは、官民一体となって創建されました。

今年の12月で98歳になるというホテルニューグランドは、戦時中も華やかな時期も知っている、いわば近代横浜の歴史を見続けてきたと言えるのではないでしょうか。

こちらは建設当時の雰囲気を窺わせる、大階段と大時計があまりに有名な本館ザ・ロビー。宴会場に予定がない時は、階段をあがって少し見学することも可能です。

重要文化財の氷川丸や山下公園を見下ろす大きな窓は、ところどころ開業当時のガラスが使われているところも。

冬が近づくと一面黄色に色づくイチョウ並木の向こうに広がるのは、関東大震災のガレキで埋め立てられてつくられた山下公園。ホテルが開業するずっと昔は海が広がっていたのだとか。

第二次大戦後に接収され、米軍の居住地域となっていたこともある山下公園。歴史を知ると季節の花々に彩られる美しい公園の風景も、だいぶ見方が変わってきます。

ロビーでは横山さんの臨場感あふれる案内をきいて、その伝統と歴史の深さに陶酔。「ホテルニューグランド」を取材するならもっと勉強してからと思っていましたが、むしろもっと早く来ればよかったです。

ホテルの魅力を紹介しきれないのが残念なので、ロビーについてはぜひまた別の機会でご紹介できればと思います。
実はかねてから“やりたいことリスト”の中に、「いつかホテルニューグランド発祥の料理を食べる」とメモをしていた筆者。今回、取材ということでホテル発祥のスパゲッティ ナポリタンを試食させていただくことに。

ホテル発祥の「スパゲッティ ナポリタン」「シーフードドリア」「プリン・ア・ラ・モード」のどれを選ぶか非常に迷ったのですが、今回はナポリタンを選択。本館1階「コーヒーハウス ザ・カフェ」へ移動します。

昔はプールだった時もある中庭沿いの通路には、ホテルを愛した著名人たちの紹介やフォトギャラリーがあり、中庭を訪れる人はぜひこちらもご覧になってほしいです。

ナポリタンと言うとケチャップを使うイメージが大きいですが、ホテルニューグランドで初代総料理長サリー・ワイル氏に師事した入江茂忠氏が考案したのは、生と水煮のトマト、トマトペーストを使ったナポリタン。

ホテルニューグランドでナポリタンを食べるのは初めてだと伝えると、「想像されているのとだいぶ違うと思いますよ」と、笑顔でおっしゃる横山さん。
「ぜひパスタの麺自体にも注目してください」とおっしゃる理由が、本来日本人が好きなモチモチ食感を出すために、前日に茹でおきをしているこだわりがあるのだとか。

日本で「アルデンテ」という概念が広まったのは、イタリア料理が人気となった頃から。ナポリタンが発案されたのはその前なので、その当時の嗜好も今に残している様子。

実際口にしてみると、確かに思い描いていたナポリタンとはだいぶ違います。味が強くないのにしっかり味わい深く、こんな高級感のあるナポリタンは今まで経験したことがありません。「これはナポリタンというより、トマト料理」と感じたほど、トマトを感じさせる品。
なにより、当初を思わせる料理を、発祥の地であるホテルニューグランドで食べられるという感動がたまらないです。

「これが発祥となったナポリタンの味だということを、ぜひ両親や家族に伝えたい」と思えたほど。
帰り際ホテルのほど近くにあるショップ「S.Weil by HOTEL NEW GRAND」で、迷わずレトルトナポリタンソースを3箱購入していきました。ただ、横浜市民の方ならぜひ最初はホテルで味わってほしいのが本望です。


実は今回、ホテルニューグランドで、特別な館内ツアーが付いたプランを紹介していただきました。それが「ニューグランドマイスターによる館内ツアー付きプラン」。
今回取材で紹介していただいたような案内だけでなく、普段では入ることができないような空間にも案内してもらえます。

“ニューグランドマイスター”とは、ホテルの歴史や魅力などの筆記試験・実技試験を経て認められた特別なスタッフ。取材時点では21名ほどが合格しているとのこと。
ホテルのコンシェルジュは全員マイスターですが、簡単に合格できるような内容ではありません。

そんな“ニューグランドマイスター”の館内ツアー付きプランは、宿泊・食事・宴会の3種類あり、宿泊プランではシーフードドリアとスパゲッティ ナポリタンを含んだメニューが特別ルームサービスとして提供されるというのも魅力的。

特に横浜に縁がある人におすすめなプラン。たとえばご両親の退職・長寿のお祝いなどにプレゼントとして招待するのもいいのではないでしょうか。

最後に、今回ホテルニューグランドを紹介させてもらうことになった経緯につきまして、少し紹介させてもらえればと思います。
実は2025年7月に山下公園で七夕祭りがあった際、想定外の大混雑で同行者と離れ離れになったまま、数時間ほど電話・電波が繋がらないということがありました。
人であふれるホテルニューグランドのフロントで、コンシェルジュの方に助けを求め、お電話を借り、無事に合流することができたということがあったのです。
普段より忙しい状況の中でも、「さすが」と言えるほど丁寧な対応で、ちょっとした感動すら覚えました。
帰り際にお礼をお伝えしたものの、その時ホテルを利用することもできず、後日に「ぜひ記事でホテルを紹介させてもらえないか」と相談させていただいたのです。

ホテルニューグランドの魅力の基本は、建物・食・人。でもなにより「ホテルは人がつくっている」と語る横山さんの一言が印象的。人の心に響く建物、人が繋いだ食のストーリーなどが伝統となっているホテルニューグランド。スタッフが魅力的でなければ語られる歴史もなかったかもしれません。
ホテルスタッフは横山さんはじめ、筆者がお世話になったコンシェルジュも、わりと親近感があり、自然と接する人に寄り添って話ができる方々。伝統的なクラシックホテルでありながら、敷居の高さを感じさせないところが魅力のひとつでもあります。

筆者としてもずっと憧れだったホテルニューグランド。自分の記事の中で、自分の言葉で紹介させていただく機会をいただき、大変感謝しております。
ホテルニューグランドは、2027年12月に開業100周年を迎えます。
歴史ある博物館のようであり、絵画の中に入り込んだような美術館の要素も持つホテルで、洗練されたおもてなしの心と横浜の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
ホテルニューグランド
公式サイト:ホテルニューグランド
アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線「元町・中華街駅」1番出口より徒歩1分
住所:神奈川県横浜市中区山下町10番地
電話番号:045-681-1841(代)
Instagram:hotelnewgrand
コーヒーハウス ザ・カフェ
公式サイト:コーヒーハウス ザ・カフェ
本館1階
電話番号:045-681-1841
「ニューグランドマイスター」による館内ツアー付きプラン
宿泊プラン・食事プラン・宴会プランの詳細は以下をご覧ください。
プラン紹介ページ:「ニューグランドマイスター」による館内ツアー付きプラン
※料金などは2025年9月取材時の内容です。
SHARE: