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神奈川県 -藤沢市

「ぼくは昨日、放置された」跡形もなく消えた「自転車」の行方/藤沢市

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ころんころ

ぼくは昨日、駅前に放置された。

持ち主は、「少しの間だけだから、端にちょっと…」と言い残して買い物へ行った。

どうして、ここに置いていくの?
人がたくさん通るのに。

さっき、おじいちゃんがつまずきかけて、ひやりとした。
もし転んでいたらと思うと、こわかった。

通り過ぎる人たちは、みんなぼくを見る。
でも、悪いのはぼくじゃない。

——そのとき、「街頭指導員」と呼ばれる人が来た。

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その人は、ぼくの状態を確かめ、タブレット端末で写真を撮り、そっと「ピンクの紙(警告書)」をつけてくれた。

それは、ぼくを守るためのしるしで、「もう大丈夫」って言われた気がした。

やがて「移動班」と呼ばれるトラックが来て、ぼくは乗せられた。

やっと離れられる——もう、ここにいなくていいんだ。

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この撤去、実は“日常”です

「藤沢市の『放置自転車』の多くは、“長年放置されたもの”ではないのです」

そう話すのは、藤沢市役所・道路下水道総務課の長塚さん。

市によると、令和6年度に撤去された自転車は約2600台。藤沢駅周辺、なかでも南口エリアでの放置が多いといいます。

また、放置自転車の多くは市民からの通報ではなく、巡回中に街頭指導員が発見するケースが圧倒的に多いとのこと。特に駅前などでは、朝に警告書が貼られ、その日のうちに撤去対象になることも少なくないといいます。

課題だった“所要時間”が、大きく変わる

これまでの放置自転車対応は、電話やFAX、紙の地図による運用が中心で、警告から撤去までの所要時間が課題でした。しかし昨年から、タブレット入力によるデジタル化(「kintone」の導入)で情報を即時共有。

長塚さんは、「移動班がリアルタイムで情報を確認できるため、より速やかな対応が可能になりました」と言います。

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「うっかり違反」だけの話ではない

こうした放置自転車対策は、基本的に“ルール違反をしてしまった人”への対応です(盗難後の放置を除く)。

しかし、点字ブロックや通学路をふさぐ自転車についても、通報(藤沢市役所 道路下水道部 道路下水道総務課/0466-50-3545)があれば迅速に対応できる体制が整うことから、長塚さんは「多くの人が毎日通る道路環境の、安全・安心につながります」と話します。

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撤去された自転車は、どこへ行くの?

撤去された自転車は、市内2か所の保管所で、2か月保管されます(これを過ぎたものについては藤沢市が処分)。

返還場所:
南保管所(藤沢市鵠沼神明1-1-2)
北保管所(藤沢市長後77-1)

持参するもの:自転車等の鍵、本人確認ができるもの(免許証、学生証等)、移動保管料(自転車2,100円、バイク4,200円)

※撤去した自転車等のうち、防犯登録等により所有者が判明したものについては、自転車等移動通知書でお知らせします。
※詳細は、藤沢市公式ホームページ(外部リンク)をご確認ください。

2026年4月より「保管中自転車等一覧」始動

2026年4月から、新たに「保管中自転車等一覧」が公開されます。これは、撤去された自転車の特徴、撤去日時、撤去場所などをオンラインで確認できる仕組み。

運用開始後は、撤去現場に「撤去した旨を記載した紙(二次元コード付き)」を貼り、持ち主がスムーズに保管所へ向かえるようにする予定です。

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2026年4月1日から公開予定の「保管中自転車等一覧」(サンプル)

市民の声と、これから

「放置自転車の対応がタイムリーになった」そんな声が届き始めている裏で、「気づいたら、もう無かった…」と戸惑う人もいるでしょう。

だからこそ、あらためて問いかけたいのです。
——あなたは今日、どこに自転車をとめますか?

※自転車等を路上に放置すると、周囲の人の通行を妨げるだけでなく、緊急時の妨げにもなります。必ず所定の場所へとめましょう。

基本情報
藤沢市

公式ホームページ(外部リンク)
※詳細は公式サイトをご確認ください。

取材・撮影・校正協力
藤沢市役所 企画政策部 広報シティプロモーション課 楜澤様
藤沢市役所 企画政策部 デジタル戦略課 大滝様
藤沢市役所 道路下水道部 道路下水道総務課 鈴木様

この記事を書いた人

ころんころ
ライター

ころんころ

神奈川県を中心に活動するライター。
「読まずにいられない記事タイトル」を信条に、地域の魅力や出来事を伝える。

2021年~2026年まで Yahoo!ニュース エキスパート 地域クリエイターとして活動。
2024年には ベストエキスパート2024 を受賞。

このほか、昭文社「まっぷるトラベルガイド」をはじめ、複数媒体・紙面で執筆。現在は「湘南経済新聞」などで執筆する。

元証券会社人事部出身。
年金アドバイザー資格(最上位2級)を持ち、キャリアや生活に関するテーマにも強みを持つ。

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