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神奈川県 -川崎市

一枚に命を吹き込む写真師 ― 四代へつなぐ“記憶の仕事”【川崎市】

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鈴木よしえ

三陽フォトスタジオにて 坪井麻衣子さん  かわさきマイスター 坪井幸子さん  坪井慶斗さん

春。卒業と入学という人生の節目を迎えるこの季節、写真には「その一瞬以上のもの」を残す力がある――そう実感させてくれる出会いがあった。

撮影前、細かくチェックする(川崎では写真師のマイスターは幸子さんただ一人)

川崎市にある有限会社三陽会館2階にある三陽フォトスタジオで、写真師・坪井幸子さんとお嬢さんの麻衣子さんに話を伺った。店を継いだ幸子さんは、幼いころから父・信義さんに「お前が継ぐんだ」と言われ続けて育ったという。写真の道に進むことは、ある意味で運命だった。

スポッティング修正―SPOTONEというインクを使い写真印画紙に筆を入れていく技法(不透明水彩絵の具でも代用できます)見本は黒目・瞳の光・アゴのシワを描いています

東京写真短期大学(現・東京工芸大学)で基礎から学び、卒業を待たずに婚礼写真の現場へ。華やかな世界の裏で求められたのは、緻密で根気のいる作業だった。フィルム時代、写真に入り込んだゴミや傷を修正する「スポッティング」と呼ばれる技術。幸子さんは、筆や削った鉛筆を使い、まるで絵を描くように写真を蘇らせてきた。

使っていたインクと1ミリ位の細い筆に白黒写真の修正用着色料

目を閉じてしまった人物に、自然なまなざしを描き足す。ぼやけた顔に、記憶と想像を重ねて表情を再現する。時には「三白眼になってしまったから直してほしい」という依頼にも応え、一本の細い筆で美しく整えていく。その技術は自己流で磨かれ、鉛筆を針のように削る作業で手に刺さるほどの苦労も重ねてきた。

針のように削った鉛筆を手首に刺してしまったことも

「感覚なんですよね」。そう静かに語る幸子さん。デジタル加工が主流となった今、この技術を受け継ぐ人はほとんどいない。それでも、完成した一枚を手にしたお客様が涙を流して喜ぶ姿が、その価値を証明している。

小学校の卒業式を終えての1枚――着物の柄がきれいに出るように丁寧にポーズをつける

現在は娘の麻衣子さん、さらに孫の慶斗さんの世代へとバトンがつながり、写真館には三世代、四世代にわたる家族のアルバムが積み重なっている。誕生、お宮参り、入学式、成人式、結婚式――人生の節目ごとに撮影された写真が、一冊の中に時を重ねていく。「最初から見返せるのが楽しい」と語るお客様の声が、その魅力を物語る。

スマートフォンで誰もが手軽に写真を撮れる時代。それでも写真館に足を運ぶ人がいる理由は、「残し方」にあるのかもしれない。ただ写すのではなく、人生を編むように記録していく。そこには、プロの技術と、人の記憶に寄り添う想いがある。

小学校卒業式の記念撮影

卒業、そして入学――新たな一歩を踏み出すこの季節。何気ない一枚ではなく、未来に手渡したくなる一枚を。家族の歴史を重ねるアルバムの一ページを、写真館で刻んでみてはいかがだろうか。

川崎市役所本庁舎から徒歩約1分

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住所:川崎市川崎区宮本町7-1

電話:044-222-4473

FAX : 044-222-4031

営業時間:10:00~18:30 予約制で営業時間外の撮影も受け付けます(出張撮影も受け付けます)12月31日と1月1日は定休日になります

アクセス:京急川崎駅中央口から徒歩約5分/JR川崎駅東口から徒歩約6分

この記事を書いた人

鈴木よしえ
おしゃべりライター

鈴木よしえ

元山形テレビアナウンサー。フジテレビ、テレビ朝日などの情報・ワイドショー番組でリポーターを務めたほか、FMラジオのパーソナリティ、各種イベント司会として活動。
現在はこれまでの取材経験を活かし、地域のニュースや人物、文化、産業の魅力を映像と記事で発信している。カメラ・音楽・ナレーションまで一貫して手がけ、生まれ育った地域をはじめ、各地の“まだ知られていない大切な物語”を丁寧に伝えている。
かわさき産業親善大使・タレント名鑑掲載。

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