【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
西千葉を拠点にまちづくりを行う会社である株式会社マイキーが運営する「西千葉工作室」があります。
ここは何度か前を通りかかって気になっていたスペース。今回念願がかなって取材をさせていただくことができました。中に入ると、そこにはさまざまな工作機器がずらりと並んでいます。3Dプリンターやレーザー加工機など、普段なかなか目にすることのない機器を前にすると、何を作ろうかと想像が膨らみ、見ているだけでも心が躍るような空間です。


レーザー加工機や最近話題の3Dプリンターが自由に使えます。
工具類も沢山用意されています。

今回は、「西千葉工作室」を運営する株式会社マイキーのディレクター、西山芽衣さんにお話を伺いました。
―「中に入るとワクワクするような空間ですが、一言で表すと、マイキーとはどのような会社でしょうか?―
「私たちマイキーは、西千葉を拠点に、自分たち自身が地域で事業やコンテンツを生み出す『プレイヤー』として活動しています。一方で、自治体や企業のまちづくり事業の企画プロデュースも行っています。
その一例が、幸町団地の広場づくりです。単に施設を造るのではなく、住民の皆さんとの対話を重ねながら、どんな広場にしたいのかを一緒に考えていきました。
広場には、スポーツやトレーニングができる場所や本棚などがありますが、使い方を一方的に決めるのではなく、地域の人たち自身が使い方を考え、広場にあるアイテムの整理整頓なども気づいた人が行い、小さな自治が生まれています。
本社は西千葉ですが、こうしたまちづくりの仕事は、案件によって日本全国で行っています。」
―なるほど、素晴らしいですね。この西千葉工作室についてもう少し詳しく教えて下さい。―
「工作室は、3Dプリンターやレーザー加工機など、本格的なものづくり機材を備えたスペースです。こうした施設は全国的に増えたものの、クリエイター支援や新規事業、研究・教育を目的とした施設が多く、一般の地域住民に広く開かれていることが西千葉工作室の大きな特徴なんです。」

利用者は3歳くらいの子どもから90代まで幅広く、芸術家やクリエイターだけでなく、趣味や日常生活の中でものづくりを楽しむ人も多いそうです。会員は4000人以上で、30人前後のボランティアスタッフが日替わりで運営を支えています。
ボランティアスタッフの皆さんです。

機材を使うだけではありません。「こんなものを作りたいけれど、どうすればいい?」という相談ができる「工作相談室」も設けられています。スタッフと一緒に作り方を考え、必要に応じて講習を受けながら制作できるので、ものづくり初心者でも安心して挑戦できます。

特に印象に残ったエピソードをお聞きしました。
卓球部に所属する中学生が、高価で自分では買えなかった「卓球の自動球出し機」を、なんとか自分で作れないかと相談に訪れたそうです。スタッフと一緒に方法を考え、ホームセンターで購入できる材料を使って制作。何度か通いながら電子工作にも挑戦し、ついに自動で卓球の球を送り出す機械を完成させました。
「買えないから諦める」のではなく、「それなら自分で作ってみよう」。そんな発想を実際の形にできることも、この工作室の大きな魅力なのだと感じました。

この施設が大切にしているのは、完成した「もの」だけではなく、試行錯誤しながら作るプロセスそのもの。ものづくりを体験することで、他人が作った商品についても、その背景にある手間や時間を想像し、作り手へのリスペクトにつながるという考え方なんですね。
作品の数々

そして、西千葉工作室では、工作機材を利用できるだけでなく、さまざまなワークショップも定期的に開催しています。これまでにも「なんちやって金継ぎ」や「麦わら帽子をつくろう!」「家電を直す会」など、初心者でも楽しめるユニークな企画が行われてきました。
「何か作ってみたいけれど、何から始めればいいかわからない」という方は、まずは興味のあるワークショップに参加してみるのもよさそうです。そこから、ものづくりの楽しさが広がっていくかもしれません。
8月の講習会予定 参加する|西千葉工作室
西千葉工作室の利用料金などは公式HPをご覧下さい。一部の工作機器利用には事前予約が必要です。
西千葉工作室HP https://nishichibakosakushitsu.com/
そして工作室の奥には「トンネル図書館」もあり、運営会社が研究のために所有している本を地域に貸し出しています。建築や美術に限らず、さまざまなジャンルの本が置かれているのが興味深いです。利用者登録さえすれば誰でも自由に利用できます。

そして、マイキーが運営するもう一つの場所が、西千葉工作室からほど近い稲毛区緑町にある「HELLO GARDENハローガーデン」です。もともと住宅が取り壊された後の空き地を活用して生まれました。コンセプトは、「新しい暮らしの実験広場」。公園でも公民館でもないこの場所は、ゆっくりお茶を楽しむのもよし、自分の時間を自由に過ごすのもよし、「こんなことをやってみたい」というアイデアを持ち込むのもよし。運営側が使い方を決めるのではなく、使い手自身が自由に使い方を生み出していく場所です。

これまでにも、地域の人たちの企画により、演劇やライブ、ファッションショー、結婚式、パーティー、マルシェなど、実にさまざまな用途で利用されてきました。

また、月1回の「サンデーマルシェ」も開催されています。地域の人たちが集まり、交流が生まれる場にもなっています。

週2回程度行われているキオスク営業では、ドリンクやサンドイッチ、駄菓子などの販売が行われていますが、単にモノを提供するためだけのものではありません。地域の人と会話を交わし、最近の街の様子や住民の声を知る、いわば「まちのフィールドワーク」の時間にもなっているそうです。
実は私も参加したことがある「スパイス講習会」参加者でいろいろなスパイスを混ぜてお茶を飲んでみました。講師は某カレー粉メーカーの研究員さんです。

工作室とHELLO GARDENに共通しているのは、「誰かが完成したものを提供する場所」ではなく、「利用する人自身が何かを生み出せる場所」であることです。
ものを作る、イベントを開く、人と話す、あるいは何もしないでゆっくり過ごす――。その使い方を利用者自身が考えることで、そこから新しい交流や活動が生まれていきます。今回のお話を伺って感じたのは、マイキーが目指しているのは、単なる「ものづくり」や「施設づくり」ではないということでした。
「何かを作ってみたい」「こんなことをやってみたい」。そんな小さな好奇心を、実際の一歩につなげてくれる場所が西千葉にはあります。
工作室では、年齢や経験を問わず、ものづくりに挑戦することができます。HELLO GARDENハローガーデンでは、イベントを開いたり、誰かと語らったり、ただゆっくり過ごしたり。それぞれが思い思いの時間を過ごすことができます。
そこに共通しているのは、「こう使ってください」と決められた場所ではなく、使う人自身が新しい使い方を見つけ、そこから人と人とのつながりが生まれていくこと。
西千葉を歩いていると、こうした「やってみたい」を受け止めてくれる場所に出会えるのも、この街の面白さなのかもしれません。
皆さんもまずは気軽に足を運んで、自分なりの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。
取材協力をいただいた株式会社マイキー ディレクター 西山芽衣さん

【西千葉工作室】
〒263-0023 千葉県千葉市稲毛区緑町2-16-3 萩原ビル1階
JR総武線 西千葉駅から 徒歩10分
京成千葉線 みどり台駅から 徒歩1分
【HELLO GARDEN】
〒263-0023 千葉県千葉市稲毛区緑町1-18-8
JR総武線西千葉駅から徒歩5分(秋葉原ー西千葉 乗車時間38分)
HP https://hellogarden.jp/ イベント情報もこちらから
SHARE:
トラッキー
千葉市の名所旧跡の見学や美味しいもの食べ歩きを趣味としています。健康のために主にウォーキング、自転車で巡っています。Facebook,instagramでの投稿も積極的に行っています。写真も趣味なので是非御覧ください。
このライターの記事を読む