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WRITTEN BY 奥河内から情報発信
3月1日にリリースを控えた「さのまちアプリ」。

地域に密着した便利すぎるギミックの裏側には、泉佐野市に住む30代の現役エンジニアの存在がありました。
プロが本気で自分の街をハックするとどうなるのか?
そして、彼が掲げる“情報の地産地消”とは?
今回は、そんな夢と希望に満ちた開発者・Kさんにお話をうかがいました。
「さのまちアプリ」を一言でいうと、
泉佐野市のあらゆる情報が網羅された、街の公式デジタルガイドです。

旅:こんにちは! あれ? アプリのキャラが「さのまちこさん」なので、てっきり女性の方が来られると思っていました。
Kさん:ははは、そうですよね。実は「さのまちこさん」のモデルは僕の妻なんです。本人は自称「さのまちアプリ」のアンバサダーを名乗っています(笑)。
旅:奥様がモデル! それは驚きです。まさに家族総出の「地域密着」ですね。
Kさん:はい。妻は現役の看護師で、ほかにも理学療法士の友人が開発に携わってくれています。
旅:アプリの専門家だけでなく、医療や介護のプロも関わっているんですね。
Kさん:そうなんです。街の「リアルな問題」を解決したくて。僕自身、ふだんはアプリ開発会社で働いていますが、その側面は一人の泉佐野市民ですから。
旅:プロの技術と市民の視点。その両方が詰まっているんですね。具体的にはどんなアプリなんですか?
Kさん:一言でいえば、“情報の地産地消”を目指すアプリです。大手に情報が流れるのではなく、泉佐野の情報を泉佐野の商売や暮らしのために循環させる仕組みです。
旅:情報の地産地消! 素晴らしいですね! 具体的にはどんな機能があるんですか?
Kさん:大手プラットフォームに頼り切るのではなく、自分たちの情報を自分たちで守り、活用する。そんな「街の自走」を支える機能が詰まっています。
操作は驚くほどシンプル。
迷うことはありません。
1.「市民」か「そうでないか」を選ぶ

アプリを開いて、まず泉佐野市民か、それ以外(観光・来街者)かを選択します。
2. 自分のエリアを選択(市民の方)
泉佐野市民の方は、お住まいのエリアを選択します。

これにより、その地区に合わせたゴミ出し通知などが届くようになります。

3. カテゴリーを選んで、地図で見る
「食べる」「暮らす」など、好きなジャンルをタップするだけ(複数選択可)。
地図上に関連スポットがパッと表示され、さらに「現在地からの距離」や「営業中」などの条件で絞り込むことも可能。
今いる場所から近い「本当にいい店」がすぐに見つかります。


大手地図アプリは便利ですが、ネット上に情報がある店が優先され、地元で愛される「HPのない名店」は見落とされがちです。
「さのまちアプリ」はそうした埋もれた魅力を、広告や技術の有無にかかわらず、地元の人の目と足で拾い上げ、平等に網羅します。
「プロの技術」と「市民の視点」が融合したアプリ、主なポイントは以下の3つです。
1. 情報の地産地消(データの循環)
大手広告サイトに高い手数料を払うのではなく、地元の事業者(プレイヤー)と市民がダイレクトに繋がる仕組み。
2.「本当に良い店」が集う、市民起点のサイクル
広告費による優先表示という既存モデルとは一線を画し、市民のリアルな評価が価値となる、信憑性の高い情報が蓄積されるプラットフォーム。
3.多彩なカテゴリーと、未来へ広がる「市民交流」
生活情報の網羅にとどまらず、スキマバイトや不用品の譲り合いなど、市民同士の助け合いを生むコミュニティインフラへの発展を見据えた設計。
便利な既存サイトがある中で、なぜあえて自分たちの手でアプリを作るのか。
そこには、この街をより良くするための、プロならではの緻密な戦略と熱い想いが隠されていました。この3つのポイントについて、さらに詳しくお話を伺います。
旅:1つ目の「情報の地産地消」という言葉、食べ物ではよく聞きますが、アプリでは新鮮です。
Kさん:今、僕たちがお店を探すとき、多くは大手広告サイトを使いますよね。でもそこには多額の掲載料や手数料が発生していて、そのお金は街の外へ流れてしまっているんです。
旅:確かに、便利ですが手数料の負担は大きいと聞きます。地元のお店を知るために、わざわざ遠くの大きな会社にお金を払って紹介状を書いてもらっているような状態ですよね。
Kさん:そうなんです。「さのまちアプリ」は、その「紹介料」をなくして、地元の事業者と市民が直接つながる仕組みを構築することを目指しています。浮いたコストがサービスの質に還元されたり、新しい挑戦に使われたりする。
そうやって「この街で生まれた価値が、街の中で回り続ける状態」を作りたいんです。

旅:ということは、利用料も掲載料も無料ですか? 課金などもなく?
Kさん:はい、無料です。街のみなさんには、一切ご負担をおかけしません。
驚きました。このアプリが目指すのは、店側もユーザーも一切の費用を払うことなく、街の魅力的な情報が地域内外へ循環する仕組みです。
コストを削ぎ落した先にあるのは、徹底した「街への還元」。
この潔さが、「さのまちアプリ」の強さなのかもしれません。
旅:2つ目の「市民起点のサイクル」についても教えてください。既存のサイトとは何が違うのでしょうか?
Kさん:多くのサイトは、広告費を多く払ったお店が上位に来る「資本力の勝負」になりがちです。でも、市民が本当に知りたいのは「広告」ではなく「信頼できる声」ですよね。
旅:間違いないですね。
Kさん:だからこのアプリでは、市民のみなさんのリアルな評価を大切にします。派手な広告はなくても、誠実なサービスを提供する事業者や、地元の人が愛してやまない個人店。そういった「街の本当の宝物」に光があたる仕組みにこだわりました。
旅:それならわたしもおススメしたいお店がいっぱいあります! ぜひ、わたしの地域記事も参考にしてください(笑)。
旅:そして3つ目、将来は「スキマバイト」や「不用品の譲り合い」まで見据えているとか。
Kさん:はい。今は情報の網羅が中心ですが、ゆくゆくはこのアプリを介して「ちょっと助けて」「これどうぞ」という会話が生まれる場所にしたいんです。

旅:デジタルなのに、昔の「長屋」のような温かさがありますね。
Kさん:そうなんです。このアプリを、単なる効率化ではなく、市民同士の絆を深めるために使ってほしい。生活のあらゆるシーンで、泉佐野の人が泉佐野の人を支える。そんな未来を、この設計に込めています。
その「支え合い」をより確かなものにするため、今後はカテゴリーの細分化も進めていくといいます。たとえば「ラーメン店」や「焼肉店」といったピンポイントな絞り込み。
自分の今の「欲しい」や「困った」に、より精度高く応えられるプラットフォームへと進化していく予定です。

ここである疑問が湧き上がってきました。
目まぐるしく変化する街の情報を、一体どうやって管理し、鮮度を保ち続けるのでしょうか。
その答えは、デジタルとアナログを掛け合わせた「2つのアプローチ」にありました。
1. ユーザー投稿型(フィードバック方式)
各施設ページに問い合わせ窓口を設置し、市民からの情報提供を募る。運営側が精査してから反映するため、情報の正確性を担保しやすい。
2.Wiki型(直接編集方式)
ユーザーが直接情報を書き換える仕組み。即時性が高く、更新履歴(ID/ログ)を監視することで、悪意ある書き込みや誤情報のチェックも並行して行う。
Kさん:2つの手法を検討していますが、即時性の高いWiki型が有力候補ですね。知人が開発した全国のサウナ情報を網羅するアプリ「サウナライフ」もWiki型で運営していますが、非常にスムーズに機能しています。
旅:素人目には誤情報が心配ですが、運営側でしっかり監視できるなら安心ですね。
Kさん:もちろんです。運営メンバー3人も泉佐野市民ですから、そのあたりはフットワーク軽く対応していきます。そもそもこのアプリは街を愛する人たちが集う場所です。悪意のある情報を流す人はいないと信じています。
旅:地元民参加型のアプリですね! なんだかみんなで街を育てていくワクワク感もありますね。
至近距離で起こる出来事を、地元の人間が自ら管理する。それもまた、大手サービスにはない「地域密着型」ならではの大きな魅力です。
地元の人たちの手によって日々アップデートされていく「さのまちアプリ」は、そんな街の最強デジタルガイドを目指しています。
ここまでの話を聞いて、地域の人の便利さはもちろん、地域外の人にとっても大きな魅力をもつアプリだと感じました。
旅の計画を立てる時、観光情報誌の有名店もいいけれど、「地元の人しか知らない、こだわりの店」に行きたいと思うことがあります。
「さのまちアプリ」には、まさにそんな情報が蓄積されていくー。
地元の人が愛する「街の本当の宝物」が可視化されることで、訪れる人にとっても、この街はより深く、面白い場所になっていくはずです。
3月1日のリリース時には、すでにご紹介したゴミ出し通知などの便利な生活機能がフル稼働します。
さらに、現在は英語にも対応しており、今後は多言語への拡張も予定されています。

国際色豊かなこの街ならではの機能も備えながら、「さのまちアプリ」は、街の人の手によって進化を続けていきます。
Kさん:新しいことに挑戦する街「泉佐野市」だからこそ、このプロジェクトは実現できると思ったんです。まずはリリース時に、1,500軒の情報掲載を目指しています。僕たちだけでは見つけられない「街の宝物」は、まだまだたくさんあるはず。市民のみなさんからの情報提供を、心よりお待ちしています!
「さのまちアプリ」を形作るのは、市民のみなさんのリアルな声です。
たとえば、こんな「街の日常」をぜひ届けてください。
「あの路地裏にある小さな定食屋、めちゃめちゃ美味いで」
「ここの病院は先生が優しくて、家族みんなでいつも通ってるねん」
「あそこのパン屋、午後に行くといつも売り切れてるけど最高やで」
ガイドブックには載っていない、地元の人だけが知る「泉佐野のいいところ」を、ぜひアプリを通じて共有してください。
あなたの情報が、誰かの助けや楽しみになるはずです。
【情報提供はこちら】
さのまちアプリ公式Instagram(外部リンク)のDMまで、お気軽にお寄せください!
サーバー代やシステム利用料など、アプリを維持するためにかかる全費用を開発者が負担し、無報酬でこのプロジェクトを動かしています。
その背景にあるのは、個人の利益ではなく「街全体で価値が循環する仕組みを作りたい」という切実な想いです。
このアプリが一人でも多くの手に渡り、市民の手で「街の共有財産」として育てられていくことを心から願っています。
*記事内容は取材当時のものです。
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旅する日々の記憶と記録。matka08
大阪・泉州在住。
7年の広告制作ディレクションを経て、2022年から4年間、Yahoo!ニュースにて地域記事を執筆。
計8回の最優秀記事賞(MVA)を受賞。
2026年春、同メディアの筆を置き、現在はウェブメディア等での執筆を続けながら、自身のマガジン『Blank.』の創刊に向けて、日々奮闘中。
フィルムカメラとノートが相棒。