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千葉県 -南房総市

桜を愛でに130種類の桜が植わる里山へ。古き良き文化が息づく隠れた名所【南房総市】

安馬谷里山に咲くサクラ
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鍋田ゆかり

南房総といえば海を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ひとつ山側の道に入ると緑豊かな里山の景色が広がっています。その土地の人たちがきちんと管理をして、美しい景観が保たれている里山の一つ、「安馬谷(あんばや)里山」。ここは、昔からの伝統が今も受け継がれている地区で、季節ごとに散策を楽しめる場所です。「安馬谷里山研究会」が安馬谷里山を管理し、筆者も名ばかりですがメンバーになっています。代表の横山武さんの案内で、安馬谷里山の魅力を紹介します。

御的神事や道きりの行事が残るエリア

安馬谷の八幡神社
安馬谷の八幡神社

安馬谷里山の入り口にも数台駐車できますが、道が細いのと駐車スペースが限られているので、安馬谷青年館に駐車するのをおすすめします。安馬谷青年館の向かいにある八幡神社は、今でも御神的(おまと)神事が行われている神社。南房総市の無形文化財に指定されている、稲作の出来を占う神事です。

八
幡神社の御神的(おまと)神事
八幡神社の御神的(おまと)神事

安馬谷里山の入り口は、神社を右手にして進んだ先にある小さな看板を目印に、右折します。安馬谷地区には、悪いものが入ってこないよう集落の境界線に設置するわら細工「道きり」という民俗行事が残っています。

敢えて未完成のワラジを掲げる安馬谷地区の道きり
敢えて未完成のワラジを掲げる安馬谷地区の道きり
毎年2月に作り変えている安馬谷地区の道きり
毎年2月に作り変えている安馬谷地区の道きり
田
園風景に馴染む安馬谷地区の道きり
田園風景に馴染む安馬谷地区の道きり

注意深く見ていると、電柱やカーブミラーなどにある道きりを見ることができます。八幡神社の階段右手のカーブミラーにもあるので、探してみてください。

一年中桜が咲く里山づくり

安馬谷里山のマップ

2003年に発足された安馬谷里山研究会は、年間100日ほど活動をしています。草刈のほか、苗木を育てたり植樹をしたりと、20人以上のメンバーが集まって作業を行っています。

クロモジの花をチェックする横山さん
クロモジの花をチェックする横山さん

里山の中を軽快に歩き、とても元気な横山さんはなんと90歳。一年中桜が咲く里山づくりを目指して、今までに130種類の桜を1500本植樹してきました。元々あった山桜に加え、9月から12月と、3月から4月の年に2回花を咲かせる十月桜や、江戸彼岸桜 、大島桜、寒緋(かんひ)桜、豆桜など、季節ごとにさまざまな桜を見ることができます。これからは、4月中旬から下旬に関山(かんざん)桜が楽しめるでしょう。


樹木には、市内にある嶺南(れいなん)中学校の3年生が名前入りプレートを設置していて、QRコードを読むと木の自己紹介を音声で聞くことができます。

設置されている名前入りプレートとQRコード
設置されている名前入りプレートとQRコード

ホタルとクロモジの里

安馬谷里山へ向かう道中は、5月末ごろからホタルが見られる場所。天候にもよりますが、19時過ぎごろからホタルが舞う様子が見られます。私の経験上、風がなくて湿度が高いときのほうが、ホタルを見られる確率が高いです。

ホタル
安馬谷里山で見たホタル

また、里山にはクロモジの木が自生していて、横山さんたちが数えてみると358株もあったそうです。クロモジは樹皮に模様があり、文字が書かれているように見えます。春には小さくてかわいい花が咲き、お茶や爪楊枝に使われている木です。

クロモジの花
クロモジの花

横山さんおすすめの里山での過ごし方は、ところどころで目を閉じて耳に集中すること。鳥やカエルの声、蜂の羽音、草花の匂いを感じてみてください。目を開いたら、足元から空までを観察しながら、ゆっくりと360度回転。「仲間とおしゃべりしながら歩くのもいいですが、足元の花や周りの景色にも目をやって、里山全体を楽しんでほしい」と話します。

休憩スポット「鳥帽子塚(えぼしづか)」からは海まで見渡せる
休憩スポット「鳥帽子塚(えぼしづか)」からは海まで見渡せる

ツバキやアヤメ、アジサイなど、季節の花が楽しめる場所なので、里山の四季を堪能しにいらしてください。

園児からお年寄りまで、気軽に楽しめるハイキングコースがある
園児からお年寄りまで、気軽に楽しめるハイキングコースがある

【スポット情報】
名称:安馬谷里山
住所:〒299-2522 千葉県南房総市安馬谷
「南房総いいとこどり」横山さんの紹介ページ(外部リンク)

取材協力:安馬谷里山研究会横山武代表

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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