【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
館山市の神余(かなまり)地区で、250年以上にわたり受け継がれてきた民俗芸能「かっこ舞」。担い手不足で中断された時期もありましたが、1974年に地元高校生が自主団体「あすなろ会」を立ち上げて復活し、現在も受け継がれ続けています。
少子高齢化で高校生だけでの奉納ができない年が続きましたが、今年は地元高校生3人が加わり、数十年ぶりとなる“高校生での奉納”を目指し、毎晩練習に励んでいます。その練習現場へお邪魔し、「神余かっこ舞保存会」副会長の加藤善行さんに話をうかがいました。
神余日吉神社で奉納される「かっこ舞」は、2匹の雄獅子と1匹の雌獅子が、腰に付けた太鼓を打ち鳴らしながら舞い、雨乞いや五穀豊穣、子孫繁栄を願う神事です。関東地方では「三匹獅子舞」として知られていますが、獅子役が使う太鼓が雅楽で使用される太鼓の「鞨鼓(かっこ)」に似ていることから、この辺では「かっこ舞」と呼ばれ、996年に館山市の無形民俗文化財に指定されました。

かっこ舞には、花笠を被って「ささら」を鳴らす4人の女子も加わります。ささらの音はカエルの鳴き声や、風で揺れる竹の音を表し、花笠から垂れる五色の紙は雨だれを、笛の音は風の音を、先頭の大太鼓は雷の音を表しているといわれています。

神余では毎年7月19日に神輿が出て、20日に子ども神輿と、日吉神社境内でかっこ舞の奉納を行い、地区内4カ所でも舞いを披露。夜に再び境内へ戻って、その年最後のかっこ舞を舞います。
8つの演目があるかっこ舞は、40分を要して体力が必要なため、6回全てを高校生だけで行うのは人数的に難しく、OBたちも参加します。自分なりの踊りができるようになったOBたちの舞を見て、大きくきれいに見える舞い方を高校生たちが学ぶ場でもあります。

暗くなった日吉神社への階段を上がって行くと、社務所前に20人くらいの人たちが集まり、掛け声とともに練習が始まりました。稲わらで編んだしめ縄の前で、高校生たちは太鼓を打ち、笛の音に合わせて力強く舞います。

この地区で育った子供たちが高校生になり、かっこ舞を舞う歳になると、「大きくなったな」と地区の人たちは見守り、親は「かっこ舞を踊る歳になった」と喜び、高校生は「みんなに認められた感がある」と、社会の一員になったような気持ちになると言います。
19時半から21時までの練習が6月にスタートし、テスト休みを挟んで7月に再開してからは、毎晩練習を重ねます。それは、神余地区の子どもたちみんなが通る道。

今年初めて舞う1年生は、「難しいけど楽しい。今まで見ていたかっこ舞を、やっと自分ができるからやりがいがあります」と言い、2年生は「去年流れを覚えたので、今年は動きを大きくとか、細かいところを意識してできるようにしたい」、3年生は「今年で最後なので寂しいけれど、地域を盛り上げられるように楽しんで踊りたい」と、それぞれの立 場で今の気持ちを話しました。
副会長の加藤さんも、かつて高校生としてかっこ舞を踊ったひとり。「1年生のときは覚えたことを出すだけ。でも3年生になると、自分の踊りを見せたいっていう想いが出てくる。最後は全部出し切る感じでした」と、当時を振り返ります。
神余の人たちの想いがたくさん詰まっているかっこ舞。その見どころを加藤さんに聞きました。

加藤さん「しめ縄を持つ人は、踊りの師匠なんです。綱を横に引っ張る場面があるのですが、1年生のときは遠慮がちにするけれど、持つ人が引っ張られるくらい強くやると、見ている人が喜んで盛り上がります。かっこ舞は神事だけど、見ている人を楽しませる芸能
でもあると思います」
7月20日、日吉神社境内と地区内各所で披露されるかっこ舞。しめ縄を持つ師匠と獅子舞のやり取りにも注目して、楽しんでください。
【イベント詳細】
名称:神余日吉神社のかっこ舞
日程:7月20日
時間と場所:10:00~ 日吉神社境内(〒294-0023 千葉県館山市神余932)
11:00~ 神余青年館
14:00~ 上・大倉集会所
16:30~ 大高尾集会所
19:00~ 久所集会所
21:00~ 日吉神社境内
取材協力:神余かっこ舞保存会
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バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。
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