【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
6月27日から千葉県立美術館で開催される企画展「ひらく、めくる、めぐる―印刷博物館の美しい印刷」のプレ内覧会に、報道関係者としてお招きいただき、一足早く取材させていただきました。
本展は、印刷の歴史をさまざまな視点からひもときながら、その技術だけでなく「美しさ」に焦点を当てた展覧会です。印刷文化を支えてきたTOPPAN(旧・凸版印刷)が運営する印刷博物館所蔵の貴重な作品を中心に、多彩な印刷物が展示されています。
展示は次の3つのテーマで構成されています。
① 西洋の印刷 ― 知のひろがり、美の極み
② 日本の印刷 ― 文学の世界、技の粋
③ デザインと印刷 ― 広がる視覚、新しい形
活版印刷の黎明期から現代のデザインまで、印刷文化の歩みをたどることができ、芸術作品としての印刷の魅力を存分に味わえる内容となっています。
また、千葉ならではの見どころもあります。千葉にゆかりのある洋画家・浅井忠は、TOPPAN(当時・凸版印刷)の初代社長・河合辰太郎氏と親交があったそうです。会場では、浅井忠の《甲辰 明治三十七年 暦》をはじめ、千葉の風土にちなみ、海や船をテーマにした作品も展示されています。

千葉ゆかりの画家 浅井忠の「甲辰 明治三十七年 暦」 明治三十七年、凸版印刷が発行した絵暦です。
15世紀の頭に発明され、 16世紀までヨーロッパに出て広がった印刷物と関係する人たちをご紹介しております。また、精緻な活版印刷を可能とした銅版印刷や活字紹介、タイプグラフィーの歴史を語る上に重要な書物などを取り上げております。
活版印刷の発明者として知られるグーテンベルクは、15世紀半ばに活版印刷技術を確立し、書物の大量生産を可能にしました。それまで書物は、一冊一冊を手作業で書き写していたため非常に高価で、ごく一部の特権階級しか手にすることができませんでした。しかし、活版印刷の普及によって書物を大量に印刷できるようになり、価格も下がったことで、一般の人々にも広く行き渡るようになります。この技術革新は知識や情報の普及を大きく後押しし、後の宗教改革やルネサンス、科学の発展にも大きな影響を与えたとされています。

「ニュルンベルク年代記」

「ヒラリウス著作集」 高価なもので本を鎖付けして収蔵していました。
「ターヘル・アナトミア」これは銅版画を用いた「人体解剖図詳解」で扉絵。展示物はフランス語で書かれたもの。
「解体新書」 元ネタになります。


「ターヘル・アナトミア」を杉田玄白、前野良沢が翻訳した「解体新書」です。教科書ではよく紹介されていますが実物を見たのは初めてです。翻訳の際に使われたのはオランダ語版の「ターヘル・アナトミア」です。展示はフランス語版です。 (千葉大学付属図書館 亥鼻分館蔵)

「チョーサー著作集」 印刷物は芸術の域に
日本における印刷は、《百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)》の登場から、平安時代、室町時代を経て江戸時代に花開きました。手書きで複製する写本は非常に高価なため、一般大衆が手に入れることは難しいものでした。しかし、江戸時代になり印刷技術が広がると、物語や学問などの様々なジャンルで、一般向けの印刷物が広く流通するようになります。

百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)奈良時代に制作された、百万基の木製少塔(「百万塔」)の中に納められた陀羅尼です。現存する最古の印刷物と言われています。(印刷博物館蔵)実物です。本展覧会ではすべての展示物がレプリカではありません。

葛飾北斎 「富嶽百景」

十返舎一九 「方言修行金草鞋蛙」 (千葉県立中央図書館蔵)

「有毒草木図説」 毒のある植物だけを紹介した図鑑 日本初
地図や国内外のポスターをはじめ、「ちりめん本」と呼ばれる美しい装丁の書籍など、多彩な印刷物が展示されています。これらを単なる印刷物としてではなく、「デザイン」という視点から捉え直し、印刷だからこそ生み出される美しさや表現の魅力を楽しめる展示となっています。一つひとつの作品を眺めながら、印刷とデザインが織りなす豊かな世界を感じることができます。

精巧な地図

「ルビコン河を渡る」 ペリー日本遠征の石版画

美しいポスター
今回の展覧会では期間中、多くのワークショップが開催されます。(スケジュールは文末のHPでご確認下さい。)

こちらは8月2日に開催されるワークショップ「ぐるぐる?アート夏やすみ2026」」沼田侑香氏(アーティスト)のアイロンビーズによる作品です。
また会場ではたくさんのフォトスポットがあります。是非お気に入りの写真を

展示作品の表紙フォトスポット
最後の展示会場はデジタルインスタレーション「ページの中を歩く」スクリーンに映し出された選りすぐりの一場面を、自由に歩きながら鑑賞できるデジタルインスタレーションです。本の世界をめぐるような感覚で、ディテールや色彩、印刷技術の美しさを間近に体感いただけます。

そして皆さんに体験いただきたいのは「印刷工程に注目した重ね捺しスタンプラリー」美術館と千葉みなと周辺施設2カ所を巡り、3つの版(スタンプ)を重ねて一枚の絵を完成させます。展覧会と千葉みなとの夏をもっと楽しむプログラムです。何が完成するかはお楽しみ。展示会場にある作品です。
◎参加料:無料
◎スタンプ設置場所
ケーズハーバー1階(千葉市中央区中央港1-20-1ケーズハーバー)
千葉ポートタワー1階(千葉市中央区中央港1丁目千葉ポートパーク内)
千葉県立美術館 エントランス

左下 美術館で1回だけ押したものです。
私たちの暮らしに当たり前のように存在する「印刷」。その一枚一枚には、長い歴史の中で培われた技術や、美しさを追求してきた人々の知恵が詰まっています。印刷の歴史を知ることで、普段何気なく手にしている本や地図、ポスターを見る目もきっと変わるはずです。印刷文化の奥深さとデザインの魅力を体感できる本展へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
千葉県立美術館ならではの展示や、浅井忠など千葉ゆかりの作品にも注目しながら鑑賞すると、より一層楽しめることでしょう。

解説いただいた学芸課 研究員 石田 彩氏
【ひらく、めくる、めぐる―印刷博物館の美しい印刷】
主催 千葉県立美術館 千葉市中央区 中央港1丁目10番1号 最寄り駅 JR千葉みなと駅 または千葉都市モノレール
| 会 期 | 令和8年6月27日(土)〜令和8年9月6日(日) |
| 開館時間 | 午前9時~午後4時30分(入場は午後4時まで) 金・土曜日及び7月19日(日)は午前9時~午後7時30分(入場は午後7時まで) |
| 会 場 | 千葉県立美術館 第1・2・3・8展示室 ※コレクション展も同時開催予定 |
| 休 館 日 | 月曜日(ただし7月20日(月)は開館)、7月21日(火) |
| 入 場 料 | 一般1,000円(団体一般800円)、高大生500円(団体高大生400円) ※中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料 ※金・土曜日及び7月19日(日)の午後4時30分以降の入場はナイト割が適用となり一般800円、高大生400円となります。 |
展示会公式HP 期間中のワークショップ、イベントなどは下記を参照下さい。
https://www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-11033/
取材協力)
千葉県立美術館
館長 貝塚 健 氏
学芸課 研究員 石田 彩 氏
学芸課 上席研究員 酒井 正恵 氏
SPECIAL THANKS
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トラッキー
千葉市の名所旧跡の見学や美味しいもの食べ歩きを趣味としています。健康のために主にウォーキング、自転車で巡っています。Facebook,instagramでの投稿も積極的に行っています。写真も趣味なので是非御覧ください。
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