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千葉県 -館山市

ビーチクリーン団体がギャラリーで展示会。展示されているのは…ゴミ?それとも芸術!?【館山市】

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鍋田ゆかり

館山でビーチクリーン活動をおこなっている団体、「NPO法人たてやまビーチクリーンボランティアネットワーク」と「オーシャンクリーンアップ@マナティーズ」共催(後援:房日新聞社)の写真展「海岸ゴミ・ビーチクリーン~小出一彦写真展~」が、館山市にある「ギャラリーヒロイ」で開かれています。小出さんは、南房総で活躍しているアマチュア写真家であり、積極的にビーチクリーン活動を行っている人物。いったいどんな展示になっているのか、実際にギャラリーを訪れてみました。

現状と目指す未来を表現した展示

ガラス張りで光が入る明るいギャラリーに入ると、左側の壁一面がコラージュ作品のように、たくさんの写真で埋め尽くされていました。

ビンに詰められたタバコの吸い殻
「これをやられると、分別しなくちゃいけないので、こういうのは腹が立ってきます」

川、那古、八幡、北条、鷹の島、沖ノ島、香、見物、坂田、平砂浦と、拾った場所で固められた写真には、BBQをしたまま放置されたものや、タバコの吸い殻が一杯に詰められた瓶など、見ていて悲しくなる放置されたゴミの写真が。最終的に、市が回収しない粗大 ゴミを安房土木へ運び込む様子までがまとめられています。


けれど、目に入るのはゴミの写真だけではなく、人物や動物に見える流木の写真や、ギターに見える建築廃材で弾く真似をするボランティアの姿、集めたゴミと一緒の記念写真もあります。印象的なのは、ボランティアの人たちの楽しそうな笑顔でした。

中央の写真は、ギターに見える建築廃材を奏でるボランティア
中央の写真は、ギターに見える建築廃材を奏でるボランティア

入り口の右手には、漁で使うのであろう大きな網やロープ、ブイなどを立体的に展示。そこから続く壁には、活動の様子やきれいになった海、夕日や生き物たちが暮らす海の中、砂浜で遊ぶ子供の笑顔へとつながり、きれいな海を未来につなげる展示になるよう工夫されていました。

拾ったブイで猫のプランターを制作して販売
拾ったブイで猫のプランターを制作して販売

夕日の小出

夕方館山の海岸へ行くと、高確率で出会う人がいます。トレードマークの帽子をかぶり、大きなカメラを手にする小出さんです。夕日や、夕焼けと人のシルエット写真が印象的で、南房総では「夕日の小出」として知られています。

夕
日
の小出さんと、ギャラリーヒロイの廣井鏡子さん
夕日の小出さんと、ギャラリーヒロイの廣井鏡子さん

小出さんがビーチクリーンを行うようになったきっかけも、夕日でした。

小出さん「夕日を撮ろうと思って海岸に行ったら、そこにゴミがあるからそれを拾ったのが最初。きれいになったら気持ちがいいから、そこから環境問題を考えるようになった」


そんな小出さんは、南房総のギャラリーで何度も写真展を開いています。ギャラリーヒロイもそのうちの一つで、今までに3回写真展を開催して、大盛況でした。

海岸ゴミ・ビーチクリーン~小出一彦写真展~のきっかけ

流木に活けられた花

廣井さんは、小出さんとまた写真展をやろうと話していましたが、「もうゴミの写真しかないよ」と言われたので、「じゃあ、それでやろう」と言いました。


「ゴミの写真なんて売れねぇよ」と小出さんは言いましたが、廣井さんはそれでもいいと言いました。一生懸命ゴミ拾いをしている人たちがいることを知らない人に、見てもらいたいという思いで、写真展を行うことにしたのです。


「壁に飾れる写真は、多くて30枚だけど、いっぱいあるから貼っちゃえ!」と、廣井さんのアイデアでコラージュのような一面ができました。

海中にいるはずのイルカやクジラ、ウミガメが……

ビーチクリーンの活動写真の中には、ゴミだけでなく動物の遺体や骨、魚の死骸などもあります。そして、イルカや10メートルほどのザトウクジラ、ウミガメが打ちあがっているものも。


廣井さん「40年ほど前は、こんなにゴミはなかった。プラスチック製品が出てきてからですよね。山に入らなくなったから、川から竹が流れて来る。昔もあったけど、今ほどではありませんでした」


やっぱり、山と海はつながっているんですね。今の私たちの暮らしからプラスチック製品を取り除くことはできないけれど、適切に処理することはできるはず。ゴミや、海に打ちあがった動物たち、山から流れて来るものを目にしたり、この問題を考え始めると気持ちが重くなってしまいますが、シーグラスを使った作品やブイを使ったプランターなど、拾って捨てるだけでなく、活用した物も展示されているので、気分が晴れます。

流木アートに混ざってゴミや打ちあがったクジラ、イルカの写真も
流木アートに混ざってゴミや打ちあがったクジラ、イルカの写真も

小出さんは流木アートが好きで、動物に見えたりするユニークな流木写真も撮っています。ビーチクリーン活動も「好きでやっている。みんなきれいにしたいし、楽しいからやってる」と言います。今回の展示で知った「海藻万華鏡」は、実際に海藻を使ってつくるワークショップも開催して好評だったようです。海藻万華鏡を覗くと、キラキラ光ったきれいな海藻の模様が見られて、これも心を晴らしてくれたモノの一つです。

海藻万華鏡の世界
海藻万華鏡の世界

驚きと訴求力がある展示

私が展示を見ている間に、何人もの人がギャラリーを訪れていました。中には、60年振りに再会したという、小出さんの中学時代の同級生もいたそうです。

小出さんの知人や、ビーチクリーン活動をしている仲間のつながりなど、さまざまな人が出入りしていました。たまたま居合わせた2人連れの女性に、展示の感想を聞いてみました。


「ボランティアの人たちのお陰で、館山の海岸がきれいになって、お客さんを迎えられる。小出さんの写真は雲がすごい素敵。黒い人影の人たちの気持ちが、写真からすごく伝わってきます」

夕日の写真

「素晴らしい活動ですね。展示のしかたにも驚きがあって、訴求力がある。写真だけでなくモノがあるのと、夕日や子どもの写真は、ゴミを防ぎましょうというより芸術的美しさがある。充実した展示だと思います」


この展示を通してボランティア活動を知り、自分もできることをしたいと、その場で活動の参加申し込みをする方もいらっしゃいました。


展示は3月29日土曜日まで。小出さんが在廊予定なので、この機会に写真や活動について直接話を聞いてみてください。

【展示会詳細】
名称:海岸ゴミ・ビーチクリーン~小出一彦写真展~
日時:2025年3月19日~3月29日
   11:00~17:00(最終日は16時)
入場:無料
場所:ギャラリーヒロイ
   〒294-0045 千葉県館山市北条2576

取材協力:小出一彦さん、ギャラリーヒロイ

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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