【千葉市】小さなパン屋、モワティエさん
WRITTEN BY 格さん
南房総市にある小さな港から、大漁旗を掲げた船「第一安房丸(120トン)」が、五色のテープをなびかせながら出港しました。乗組員は14人。サンマの大漁を目指し、北太平洋公海での操業を予定しています。

安房(あわ)地域で唯一のサバ・サンマ漁船第一安房丸が今朝、南房総市富浦漁港から館山港、岩手県釜石港、北海道の釧路港へ給油のために立ち寄りながら、10日24時に解禁されるサンマ漁へ向かいました。
千葉県からサンマ漁に出るのは、銚子の2隻と第一安房丸のみ。富浦漁港には乗組員の家族や関係者、南房総市長、県知事など、多くの人が集まり、出発式が行われました。鈴木勇人漁労長を含む14人の乗組員たちは、「今日がダメなら明日、明日がダメなら明後日がんばろう。チームワークでがんばってほしい」と激励を受け、乾杯。「大漁!大漁!大漁!」と、元気に万歳三唱し、船に乗り込みました。

操業していた3隻の漁船が合併し、2003年に始動した「第一安房丸」は、冬から夏にかけてサバ漁を、夏から秋にかけてサンマ漁を行っています。サンマの「棒受網漁法(ぼううけあみぎょほう)」は1930年代に千葉県内で開発され、最盛期は100隻以上の大船団になることもあったそうです。

今年は宮城サンマ船団に加入して出漁しますが、第一安房丸は船団の中で一番小さい船。鈴木漁労長によると、漁次第ですが12月中頃に戻る予定。「去年出れなかった分、2年分の水揚げを持って母港に帰って来るという大きな目標を持っています」と話します。

去年は船員不足で、第一安房丸として初めてサンマ漁に出られませんでした。現在の乗組員は半分がインドネシア人で、地元出身が5人、北海道が2人、神奈川県が2人。夜に漁が始まるので、16時ごろに食事をして準備に取りかかり、日没から日の出まで操業。捕れれば港へ戻れますが、捕れなければ漂流しながら再び漁を行うそうです。それでも、「乗組員を信頼して、大漁に導いて行けるよう覚悟を持って参ります」と、鈴木漁労長は見送りに来てくれた人たちに力強く話しました。

10時25分、汽笛を3回鳴らし、集まった人たちに見送られながら第一安房丸が出港。鈴木漁労長の奥さんは、「とにかく無事に帰ってきてくれれば」と祈るように話し、「そのときまで家族で力を合わせてがんばる」と、まだ幼い娘さんたちも一緒に笑顔を見せてくれました。

初めて出港を見送った女性は、大型船の中に一つ小さい船が混ざって漁をすることや、きれいに飾った船をみんなで見送る様子、「捕るぞ!」という気迫が伝わり、「感動した」と目を潤ませていました。
私も今回が初めての見送りでしたが、「絶対にたくさん捕って帰るんだ」という強い意志が、漁労長はもちろん、見送る関係者たちからもひしひしと伝わってきました。
港に残る家族の立場になると、心配も入り混じる複雑な気持ちになります。それでも笑顔で見送っていた家族の姿からは強さを感じ、港に息づくドラマを体験させてもらったようでした。

今年の秋、富浦漁港に笑顔とおいしいサンマが溢れることを願いながら、船を見送りました。
【詳細情報】
名称:安房さば・さんま漁業生産組合
住所:〒299-2404 千葉県南房総市富浦町多田良1254
公式webサイト(外部サイト)
取材協力:第一安房丸と関係者のみなさま
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バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。
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