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千葉県 -南房総市

房州弁で平和を叫ぶ!歌とトークで“戦争おいねえ”を届ける安房から平和音楽祭初開催【南房総市】

安房から平和音楽祭
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鍋田ゆかり

「房州(ぼうしゅう)人はあばら骨が1本足りない」という言葉があり、そこにはいろいろな意味が含まれています。“安房国(あわのくに)とも呼ばれた千葉県南部の房総半島は、温暖な気候と海の幸・山の幸に恵まれ、あくせく働かなくても生活できてしまうから、あばら骨が1本なくても生きていける”などと、地元の方から説明されたことがあります。そんなおおらかな房州人たちが今、本気で取り組む「安房から平和音楽祭 戦争おいねえ・やんねえ・やらせねえど!!」が、南房総市富浦町で初めて開催されます。

多才な出演者たち

写真提供:え〜ころバーバンズ
写真提供:え〜ころバーバンズ

出演するのは、南房総でも人気のある3つのグループです。2018年に結成され、現在4人 のメンバーで活動している「え〜ころバーバンズ(以下:バーバンズ)」は、房州を歌で盛り上げるおばちゃんアイドル。アイドルらしくピンクの衣装に身を包み、房州弁の歌を歌ったり、観客を巻き込んで一緒に踊ったりと、その場にいるだけで心のもやもやが吹き飛ばされる、元気いっぱいのグループです。

写真提供:結ちむぐくる
写真提供:結ちむぐくる

「結(ゆい)ちむぐくる」は、沖縄の方言で“真心を結ぶ”という意味。沖縄県竹富町にある黒島出身の渡邉むつみさんが歌い、ご主人の芳文さんがドラム、堀川砂代子さん(バーバンズ)がピアノを担当。そこに「安房チンドン竹のや」として活動している夫婦が加わり、平和の歌と音を届けています。結成は、2023年に館山市で開かれた反核フェスティバルで渡邉さんが歌うため、堀川さんに伴奏をお願いしたのがきっかけでした。

写真提供:beee
写真提供:beee

「beee」は、南房総に移住してきた3人が2022年に結成したバンドです。練習初日にメンバーの1人が蜂に刺されたことと、3人ともB型だったことから名付けられました。田んぼや味噌・しょうゆ作りなど、生活の一部を共有しながら音楽活動をしていて、南房総の景色や農の風景が歌詞に織り込まれることもあります。ボーカルやギター、ドラムが固定されておらず、自由に入れ替わりながら演奏し、南房総だけでなく都内や北陸でもライブを行っています。

安房から平和音楽祭開催のきっかけ

左から、堀川砂代子さんと渡邉むつみさん
左から、堀川砂代子さんと渡邉むつみさん

結ちむぐくるの渡邉さんは戦後生まれですが、アメリカ合衆国による統治下で育ちました。学生のときに本土復帰を迎え、「希望で胸がいっぱいだったけど、ふたを開けてみると、問題は山積みだった」と、渡邉さんは言います。

「戦争ほどむごいことはない。子どもたちへの大きなギフトは、戦争をさせないこと」という考えから、積極的に平和活動に参加しています。去年渡邉さんが中心となって、南房総で開いた沖縄のドキュメンタリー映画『戦雲(いくさふむ)』の上映会に訪れた音楽好きの人たちが、平和のために自分たちができることを、安房からやろうと立ち上がりました。それが今回の出演メンバーたちです。

鉄砲をギターに、戦車をピアノに変えて

出演バンド全員が集まり、平和への思いを話しているとき、「鉄砲をギターに、戦車をピアノに変えてやろう!」と、バーバンズの堀川砂代子さんが口にしました。その言葉に触発され、当日みんなで歌うための新曲も作りました。


沖縄だけの問題ではなく、みんなの問題。それに向き合い、私たちが暮らすこの安房の地から発信し、安房の想いを込めるために、タイトルに「安房から」という言葉を入れました。直接的に「戦争反対」という言葉を入れる案もありましたが、そこは房州弁にして「戦争おいねえ・やんねえ・やらせねえど!!」に。


渡邉さん「1時間の講演を行うよりも、1曲の歌が人の気持ちをわしづかみにする力を持っています。それが歌の素晴らしさで、歌の持つ力。生きていく上で苦しかったり、辛い思いをしている人にも、音楽の奏でる優しさや強さを感じてほしい」

当日はパネル展示も

安房から平和音楽祭フライヤー

音楽だけでなく、他に何ができるか考えた3つのバンドメンバーは、全員が「安房から平和音楽祭の会」のメンバーとなり、それぞれができることを行って準備を進めています。会場のロビーでは、沖縄の現状を伝える写真パネルの展示。広島の高校美術部の生徒たちが、被爆者の経験を基に描いた絵の展示も予定しています。

ライブでは、それぞれの平和への想いを語りながら自分たちの曲を演奏し、最後は出演者全員で、この日のために作った新曲を披露。来場者のみなさんも一緒に歌ってほしいと願っています。


安房から平和音楽祭は今、安房で生まれ、産声をあげようとしている段階です。これからいろいろな人たちを巻き込みながら平和の声を育て、音を奏で、毎年音楽祭を開いて育てていこうとしています。


渡邉さんが育った黒島は、渡邉さんが中学生になるまで電気も水道もない島でした。スイッチ一つで電気が点く、蛇口をひねれば水が出る、今ある平和が当たり前。そう思ってしまいがちですが、決してそうではないのです。

戦争を経験した堀川さんのお母さんに、「なんで反対しなかったの?」と、堀川さんは聞きました。「反対もなにも、気がついたら戦争だった。反対だ何だなんて言ってる暇はなかったんだよ」と、答えたそうです。それを聞いた堀川さんは、「知ろうとするためのアンテナを、常に立てていないとダメだなと思いました。平和の大切さを音楽で表現しながら、本当に戦争はダメなんだよって、子どもたちに伝えたいです」と話しました。


子どもたちに平和というギフトを送り続けるために、安房から一緒に参加してみませんか?

【イベント詳細】
名称:安房から平和音楽祭
日時:10月18日 12時30分開場、13時~15時30分
入場:予約1,000円、当日1,500円 ※残席がある場合のみ
   4歳~中学生500円 全て当日清算
予約:QRコードもしくは電話0470-33-2151(え~ころや)
会場:とみうら元気倶楽部さざなみホール(千葉県南房総市富浦町原岡88-2)
取材協力:安房から平和音楽祭の会

この記事を書いた人

鍋田ゆかり
ライター

鍋田ゆかり

Website: https://awaawalife.com/

バックパッカーで世界を旅して漂着したのは、千葉県房総半島の安房(あわ)。ボロボロ古民家を仲間と改修しながら、犬猫ヤギと暮らしはじめる。安房の自然にどっぷり浸かりながら、アウトドアや暮らしを堪能しつつ、魅力ある人や場所を紹介している。

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