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神奈川県 -横浜市

伝統芸能も多様性!米国出身の津軽三味線奏者Zackさんが叶えたい夢とターニングポイント【横浜市】

WRITER
佐原ねお

アメリカ・ニューヨークのブルックリンで生まれ育ちながら、現在横浜を拠点に、津軽三味線奏者として活動をするZack Bullish(ザック・ブリッシュ)さん。心を打つ演奏が印象的で、「津軽三味線をより多くの人に聴いてもらいたい」と、日々腕を磨く努力を怠りません。

今回は津軽三味線を実際に体験させてもらいながら、人生のターニングポイントや津軽三味線で叶えたい夢などをお聞きしました。

津軽三味線はこのように棹の部分も分解して持ち歩きます。Zackさんがぜひ紹介したいと組み立てから弦の張り方まで見せてくれました。

横浜市内東神奈川駅近くの「斉藤邦楽器店」では、若干名ではありますが水曜日の午後にZackさんによる津軽三味線勉強会が開催されています。空きが出た時間帯にお願いして、筆者自身も初の挑戦。

棹は組み立てるとつなぎ目がわからないほど巧みな技術があり、釘やねじを使わない「木組み」の知恵が使われていることにも感動する部分があると教えてくれます。

津軽三味線は棹(さお)の部分の密度がかなり高く、Zackさんによるとこちらは3~4キロほどあるらしいとのこと。かなり重さがあるので、音を出すだけでも簡単にはいきません。この重さあってこその、心を揺さぶる力強い音色が生まれるのだと感じます。

山田流、高橋竹山流と2つの流派を習うZackさん。「僕の人生は日々展開しているので、毎日がターニングポイントみたいなものなんですけどね」と笑いながら言う彼の大きなターニングポイントのひとつが、高橋竹山流の津軽三味線奏者である高橋竹春さんとの出会い。それは竹春さんを含めて10人以上が出演されていた青森での演奏会がきっかけでした。

演奏会の最後に、Zackさん自身が飛び入り参加で演奏をさせてもらったということなのです。そして偶然にも翌日に観光施設で竹春さんのソロ演奏を聴く機会があり、そこで思い切って弟子入りをお願いしたとのこと。

高橋竹山流の師範の高橋竹春さんと青森で初めて話した時。高橋竹春さんは青森県平内町出身で、16歳で内閣総理大臣賞を受賞。津軽手踊り名人でもあります。(Zackさんからの画像提供)

「竹春先生への弟子入りをお願いしたところ、『自分は神奈川県に住んでいるし、ザックさんの奏法で津軽を感じたいのであれば…』と、山田千里先生のもとで修行された青森県出身で関東在住の笹川皇人さんを紹介して下さいました。2018年の末に高橋竹春先生にご紹介いただき、笹川皇人さんに弟子入りしたんです」とZackさん。その後、高橋竹春さんの教室にも通うようになりました。

いまではZackさんの演奏に心を打たれ、津軽三味線教室に通い始めたという生徒さんもいらっしゃいます。

師匠である笹川皇人さんと着物姿で初めて一緒に演奏した時。青森県出身の笹川皇人さんは、津軽三味線世界大会で2回の優勝経験を持ちます。(Zackさんからの画像提供)

「音楽に正解はない」というZackさんの言葉を借りれば、多様性という言葉は音楽シーンにこそ多く取り入れられてより豊かなものになっていくのではないでしょうか。

若いアメリカ人が日本の伝統芸能を守ろうとするのも、津軽三味線に縁のある東北から遠く離れた横浜を拠点にするのも、津軽三味線のプロでなくても多くの人に広める活動をするのも、今の時代ならでは。

また海外の人が注目することで、日本人が改めてその良さに気づくという逆転現象が生まれることも期待せずにはいられません。

むかしは坊様(ぼさま)といった、目の不自由な方の門付け芸でもあった津軽三味線。生きていくために磨かれていった音は、命が宿った楽曲として今も弾き継がれています。もちろん一般の方も津軽三味線を演奏していたのですが、そういった歴史も楽曲が浸透していくことで知り、津軽三味線の楽曲の解像度が上がっていくのではとも感じます。

「僕らは彼らの継承でやっているからこそ知って欲しい」と、Zackさんから津軽三味線の歴史として、仁太坊さん、初代高橋竹山さんや山田千里さんなどのお話も聞いているので、また詳しくは別の記事でご紹介できれば。

今年の3月に、横浜・元町「茶倉」で演奏会が開かれた時の写真。

ちなみにZackさんは茶倉での演奏会取材とインタビューの時(詳しくはこちらの記事で)、筆者が「今後なにか目標にしていることはあるか」と訊ねたことがありました。後日になって、そういえば自分で作曲してみたい、和太鼓と共演したい、それらを披露するイベントを自分自身でプロデュースしてみたいと思ったのだとか。

Zackさんの“横浜で叶えたい目標のような夢”の実現化に向けたプロジェクトは、取材当時すでに準備が始まっていて、実は記事を書いている間に演奏会の開催が決まりました!2025年6月15日(日)、「センター南駅」ライブスポットにて、和太鼓performer KURUMIさんとのコラボイベントが予定されています。

「これからは覚えた各地の民謡を極めながら、今まで一番やりたかった津軽民謡に励む練習時間を少しずつ増やして行きたいです。やればやるほど楽しくて沼って、どんどん民謡をやりたい気持ちも増してきているので、もっともっと本格的に頑張っていきたいです。それに民謡の唄にも挑戦したいです!」

筆者の取材を受けたことで、彼に少しばかりでも影響があったのだと教えてもらいました。もしかしたら、この記事を読んだ誰かと繋がっていくことで、Zackさんにとっても、読んだ人にとってもなにかのきっかけになるのではないかと願っています。

たとえば歌い手さんや、尺八などをされる人でコラボをしてみたいという方。また横浜近郊で「自分のお店・ステージで披露して欲しい」という方は、ぜひZackさんインスタグラムDMからコンタクトをとってみてはいかがでしょう。気になる方は一度ぜひどんな演奏でどんな人物なのか、今度開催される演奏会でみてほしいです。

またこちらで紹介したZackさんによる津軽三味線勉強会は、ほぼ空きがないような状態ではありますが、興味のある方はぜひ挑戦してみては。

*こちらの記事は、2025年5月22日にYahoo!ニュースにも掲載された内容です。

有限会社 斉藤邦楽器店

公式サイト:斉藤邦楽器店

住所:神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-10-16

アクセス:JR「東神奈川駅」徒歩約3分 京急本線「京急東神奈川駅」徒歩約5分

津軽三味線勉強会についてはZackさんインスタグラムDMでご相談ください。

高橋竹春さんInstagram:chikushun_takahashi

Zack Bullish(ザック・ブリッシュ)さんInstagram:shamisendinglove

活動拠点:横浜市を拠点に主に関東エリアなどで演奏会を開催

この記事を書いた人

佐原ねお
「横浜市」の街で出会った誰かの想いと感動を、拾い集めています

佐原ねお

Website: https://holidaytalk.net/

毎日を旅するように生活することを意識し、地域ならではの魅力を探索しています。歴史あるスポット巡りに興味がある一方、流行りモノにも目がありません。

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