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宮崎県 -国富町

【国富町】美女と古墳の関係は不明 でも37号墳に咲くきれいな花を見ていれば十分ではないか

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omi

絶世の美女、髪長媛ゆかりの37号墳。伝説を背景にした古墳には季節の花が静かに咲いています。短命な花、華やかな花、これから咲く花。彼女の美しさに負けない花に、スポットを当ててみましょう。

取材日:2025年9月17日

髪長媛の美しさとは

諸県君(もろかたのきみ)は南九州一帯を支配する豪族でした。その中心地は国富と考えられています。その一族の牛諸井(うしもろい)の娘、髪長媛は絶世の美人と評判でした。

髪長媛中心に見た系図。神話の要素が含まれています
髪長媛中心に見た系図。神話の要素が含まれています

噂を聞き付けた応神天皇は、自分の妃にと迎え入れます。ところが天皇の息子であり、後の仁徳天皇が彼女に一目ぼれしてしまいます。それを知った応神天皇は息子を思い、彼と媛を引き合わせました。そして後に仁徳天皇妃となった髪長媛は、生涯を終えるまで、一度も国富に帰ることはありませんでした。

37号墳:髪長媛の名を授かった古墳

37号墳 の別名は上長塚。髪長媛の「髪長」「上長」に変わっているのは興味深いですね。同じ読みでも漢字を変えることで、直接的な関連を避けたのかもしれません。

37号墳 (上長塚古墳)
37号墳 (上長塚古墳)

平らな墳丘の謎

37号墳は旧道沿いの、交流プラザくにとみ屋(旧稲荷会館)の隣に位置します。全長約73m、高さ約7mの前方後円墳で、古墳の上は平らで滑走路のようです。以前ここで何らかの祭典を行っていたようです。そのために墳丘を整地して、このように平らになったのでしょう。

きれいに整地された墳丘。どのような祭典が行われたかは不明です
きれいに整地された墳丘。どのような祭典が行われたかは不明です

古墳に色を添える美しい花たち

古墳では、たくさんの花が咲き誇っているわけではありません。数輪咲いているだけです。だからこそ、一輪一輪に存在感があります。そもそも37号墳の主役は髪長媛。文字通り「花を添える」存在です。

ツユクサ:小さく短命の美しさ

古墳の上り口に咲いていました。あるいはマルバツユクサかもしれません。鮮やかな青い花なので、小さいながら目を引きます。花が咲くのは一日だけ。午前中に咲いて午後にはしぼんでしまう短命な花。でも一つの株からは、次々と新しい花を咲かせるので、初夏から秋の初めにかけて、その姿を楽しめます。

午前中に撮影。午後には散ってしまいます
午前中に撮影。午後には散ってしまいます

美しく儚いツユクサですが、実は繁殖力が非常に強く、儚く見えてしたたかな強さを持ちあわせています。花の色素で造った染料は、水ですぐに消えてしまいます。その色さえ儚いですね。この特性を活かして浮世絵などでは、下絵を描くための絵の具として使われていました。

サルスベリ:強く華やかな美しさ

古墳から斜めに伸びるように生えています。木の幹がつるつるしていて、サルも滑り落ちそうだからその名前になったそうです。鮮やかなピンクの花が集まってフリルの様です。一つの花は数日間咲き続けますが、次から次へと新しい花が咲くため、100日以上咲いているように見えます。なので別名は百日紅(ヒャクジツコウ)。

古墳から飛び出ているので目立ちます
古墳から飛び出ているので目立ちます

派手な花ですが、韓国では切ない物語があります。娘を救った王子が、百日後に戻ることを約束して旅立ちました。しかし戻った時には亡くなっていました。娘の墓からは花が咲き、百日間咲き続けたと言います。その物語のためか、花言葉の一つは「あなたを信じる」です。

彼岸花:これから咲く秋の美しさ

墳丘ではこれから咲こうとしている彼岸花のつぼみ。葉が無い状態で花が咲くのが特徴です。どの花もつぼみ状態でした。

彼岸花は「一夜花」とも言われ、一気に咲くことが多い花です。こちらは5分咲きといったところでしょうか。

あと数日後には、鮮やかな赤い花が咲くことでしょう。彼岸花が咲くと秋を感じますね。37号墳上ではたくさん咲いているのでなく、ぽつりぽつり。古墳にアクセントを添えています。

もうすぐこのように咲くでしょう(2024年9月下旬撮影)
もうすぐこのように咲くでしょう(2024年9月下旬撮影)

この花は1000以上の別名があります。曼珠沙華(マンジュシャゲ)が有名ですね。他には、死人花(シビトバナ)、地獄花(ジゴクバナ)、幽霊花(ユウレイバナ)など、きれいな花に似合わず怖い名前が多いです。

美しい伝説を彩る花たち

髪長媛と関係があると言われる37号墳。残念ながら伝説の詳細や、美女との具体的な関係性は今では不明です。とはいっても、美しい伝説が伝わる古墳に咲くこれらの花は、美しい伝説をより美しく感じさせます。そう思いませんか?

古墳全体、そして髪長媛の詳しいことに興味を持ったら、こちらの記事をぜひどうぞ。

関連記事:【国富町】美女と古墳:37号墳が語る美しき髪長媛(かみながひめ)の伝説

取材協力:

中野正裕様 (くにとみ史跡・文化ガイドの会会長)

37号墳 (上長塚古墳)

住所:〒880-1101 宮崎県東諸県郡国富町本庄4046 (地図)

この記事を書いた人

omi
パフォーマー

omi

古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。

仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。

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