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宮崎県 -国富町

【国富町】わずか3mmが地震から仏像を救う 萬福寺で九州初の取り組み

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地震が多い近年。宮崎でも大きな地震が2024年にありました。ミューソレーターをご存じですか?地震の揺れを吸収して被害を少なくする設備。萬福寺の仏像の台座にも、2025年7月20日に施工されました。いったいどんな設備なのでしょうか?

萬福寺
萬福寺

萬福寺の3体の仏像

本堂に安置されている仏像は、鎌倉時代の1232年に作られた阿弥陀如来三尊像。阿弥陀(あみだ)様を中心とする3体の仏像です。約800年間、人々を見守り続けてきました。1944年(昭和19年)に国宝に指定され、その後の法改正に伴って1950年(昭和25年)に国指定重要文化財に。仏像では、日本最南端の重要文化財として知られています。

ミューソレーターとは?

地震などで大きな揺れが起きた時、滑らせることで揺れを逃す装置です。2枚のシートで構成されており、わずか3mmと非常に薄型です。

下の写真に写っている銀色のプレートが、ミューソレーターの模型です。永井義寛住職がスプレーボトルで実演してくれました。

実際は、この上に仏像の台座を設置します。地震が起きた時、2枚のプレートが滑ることで揺れを減らし、仏像の転倒を防ぎます。片方のシートには多数の突起があり、これが滑り具合を適切な加減にしています。

地震が来た時のように、下を引っぱってもボトルは倒れません
地震が来た時のように、下を引っぱってもボトルは倒れません

この装置により、大きな地震でも震度4くらいまで軽くしてくれます。製作は、免震装置メーカー、アイディールブレーン株式会社によるものです(外部リンク)。

九州初の仏像ゆれ防止工事

今回の工事は、民間寺院の仏像では九州初の取り組みです。萬福寺は天台宗のお寺ですが、天台宗全体でもミューソレーターによる免震工事は全国初となります。

文化財への耐震対策は進んでいます。しかし国の重要文化財に指定された仏像で、実施されているのはわずか1%程度。萬福寺の取り組みが、いかに先進的で意義あることかが分かります。

緊張の一日 :仏さまを守るために

7月20日。この日、朝早くから作業が行われました。

搬出

まずは遷座(せんざ)・発遣(はっけん)という法要を行います。これにより、魂を仏像から抜き、一旦仏様の世界にお帰りいただきます。

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

その後、本堂から仏像を丁寧に搬出します。搬入搬出は日通が行いました。貴重な美術品を扱う、プロの方たちです。

壊れやすい部分などをチェックしています 写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)
壊れやすい部分などをチェックしています 写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)

傷つけないように慎重に運んで、

写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)
写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)

御堂に退避させます。

写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)
写真提供:永井義寛様 (萬福寺住職)

施工

ミューソレーターを制作した、アイディールブレーンが施工を行います。2枚のプレートを床と台座の裏に取り付けます。

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

搬入

仏像を搬入します。

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

それにしても、高さ100cm弱の貴重な仏像3体を移動するのですから、大変で緊張する作業だったでしょう。搬入搬出を行ったみなさん、おつかれさまでした!

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

最後に勧請(かんじょう)・開眼と言われる法要を行います。お帰りいただいた仏様を、再び仏像にお招きするのです。こうして像から仏像へとなり、作業は完了します。

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

見た目は変わらず、効果は確実

どんなふうに施工されたかが気になりますね。住職に今回見せてもらいました。扉を開けると、

仏さまの姿が。

台座を少しずらして施工後の状態を見せてもらうと、床に張られた銀色のミューソレーターが見えます。

台座を元の位置に戻すと、施工されていることはほとんど分かりません。

これで大きな地震が起きた時でも安心です。あとは人間の方ですね。皆さんのお家の地震対策、大丈夫ですか?

大切にしたいこと

萬福寺の仏像は、約800年の間、様々な困難を乗り越えてきました。戦国時代の動乱、明治の廃仏毀釈、そして近代の戦争といった危機も乗り切りました。そして、現在まで大切に守られています。

撮影:小田佳生様
撮影:小田佳生様

しかし令和となった現在、自然災害の脅威にさらされています。何らかの対策をしないといけない時期に来ています。萬福寺の対策は先駆けになるでしょう。でもその前に大事にしたいこと。それはどんな時でも仏さまを思う気持ちを持ち続けること……でしょうか。

萬福寺

住所:〒880-1101 宮崎県東諸県郡国富町本庄2097 (地図)

Instagram:k.manpukuji

この記事を書いた人

omi
パフォーマー

omi

古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。

仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。

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