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宮崎県 -国富町

【国富町】知ってますか?二十六夜は恋の月夜:願い事を持って二十六夜塔へ

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omi

剣柄稲荷神社にひっそり佇んでいる二十六夜塔をご存じでしょうか?かつて二十六夜の月には商売繁盛と、恋愛成就の力があると言われていました。今回は普段意識して見ることのない二十六夜塔と、それにまつわる昔の風習についてお話しましょう。

・月を待つ人々の願い

江戸時代、旧暦1月と7月の二十六夜(2025年は2月23日と9月17日)二十六夜待ちと言って、月の出を待って拝みながら、みんなで飲食をする行事が行われていました。この時、愛染明王という仏様にお参りします。月明かりの中に、阿弥陀様と2人の菩薩様の姿が浮かぶと言われていますが、月の端が揺らいで見えるため、そこに仏様の姿を感じたのかもしれません。

二十六夜は三日月で、地平線より先端から出てきます  (写真引用元:photAC)
二十六夜は三日月で、地平線より先端から出てきます (写真引用元:photAC)

この二十六夜のために建てられたのが、月待塔の一つ、二十六夜塔です。二十六夜の月は深夜に出てくるためか、江戸は大変賑わって、酒を飲み、派手に騒いでいたようです。酔っぱらって、月を見ていなかった可能性もありますが……

・月を待つ人:様々な思い

染物職人たちの祈り

昔、染物職人たちは商売繁盛の願いを込めて、愛染明王様を一番大切な仏様として祀っていました。江戸時代、遊郭のあった本庄では、染物屋も多かったと言います。染物職人は商売繁盛を、農家の人々は豊作を願って、二十六夜待ちを行っていたのでしょう。

イラスト:furoshikin
イラスト:furoshikin

恋する者たちの祈り

一方、愛染明王は恋愛成就の仏でもあります。本庄地区には昭和に入っても、戦前まで芸者の屋敷が数件ありました。夕方になれば三味線の音が聞こえてきたといいます。彼女達が稲荷神社に行き、二十六夜塔の前で祈りをささげた……

二十六夜塔のある稲荷神社拝殿
二十六夜塔のある稲荷神社拝殿

なんてドラマのような光景もあったもしれません。昔の恋愛パワースポットだった可能性もあります。

・二十六夜塔を探して

それでは稲荷神社に行って二十六夜塔を拝観いたしましょう。

1回目:迷走

何度も訪れている稲荷神社ですが、今まで塔の存在を知りませんでした。どこにあるのでしょう?境内を歩くこと数分間……どこにもそれらしき塔は見つかりません。

境内をくまなく探しました。ご神木には石柱が立っていますが、これは稲荷神社を支えている古墳の名称「剣塚」と彫られたものです。

境内を出て、周囲も探しました。塔はありましたが、違うものでした。

資料が古いので、もう存在しないのかもしれない。そう思っていったん引き上げました。

2回目:啓示そして邂逅

後日、国富町立図書館に行き、郷土史を調べまくりました。そして……「国富町郷土史(資料編)」にて、二十六夜塔の場所についての記事をやっと見つけました!読んでみると……。

これは……確かに探しても見つからないはず。再チャレンジです。

下の写真は、境内に入ってすぐの手水舎(手を清める場所)です。実はこの近くにあるのですが、分りますか?

一見塔は見えませんが、手水舎の横に回ってみると……

奥に小さな塔がいくつか建っています!大きい塔を想定していたので、分かりませんでした。先入観が邪魔していたのですね。さて、この中のどれかが二十六夜塔でしょうか?

ありました!一番右の一番小さい塔が二十六夜塔です!「二十六夜」と彫られています。高さ68cm、幅28cmの小さな塔で、享保12年(1727年)に建立されました。右側に、うっすらと「享保十二年」と刻まれているのが見えるでしょうか。

上部が欠損していて判読しづらいですが、『奉待二十六夜守護處』と彫られています
上部が欠損していて判読しづらいですが、『奉待二十六夜守護處』と彫られています

月と共にある国富

稲荷神社の二十六夜塔は300年近くの間、様々な人の思いを受け止めてきました。商売繁盛、豊作、そして恋心と。ところで、国富では月待塔が33箇所もあります。

三弓堂の月待塔。33箇所ある月待塔の一つで、元禄13年(1700年)建立。二十六夜塔とは異なる月待塔
三弓堂の月待塔。33箇所ある月待塔の一つで、元禄13年(1700年)建立。二十六夜塔とは異なる月待塔

宮崎県でこれだけ建っている場所は少ないそうです。特に二十六夜塔は、県内で建立しているのは非常に珍しく、国富でも稲荷神社境内に一つだけのようです。

・恋愛パワースポットとしての二十六夜塔

2月の二十六夜待ちは、バレンタインデーの近くです。

写真引用元:photAC
写真引用元:photAC

恋愛に悩んでいる方は、二十六夜塔に祈りをささげてみてはいかがでしょう。月の出は深夜なので、夕暮れまでに塔に祈り、深夜に部屋から月を待つのがおすすめです。

もちろん、二十六夜だけでなく、いつでも問題ないと思いますよ。仏さまは慈悲深いので。

それでは、みなさまの恋が叶うように。

2025年の二十六夜は2月23日と9月17日 深夜1時過ぎ

参考資料:「国富町郷土史」

イラスト提供:furoshikin (Instagram)

剣柄稲荷神社

住所:〒880-1101 宮崎県東諸県郡国富町本庄4847 (マップ)

電話番号:0985-75-2259

Web:剣柄稲荷神社 (国富町役場公式サイト)

この記事を書いた人

omi
パフォーマー

omi

古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。

仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。

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