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神奈川県 -横浜市

金沢漁港「海産物フェスタ」がつなぐ海と人 地産地消ピザからブルーカーボンまで、広がる地域の輪

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佐原ねお

横浜市金沢区・海の公園に隣接する金沢漁港で毎年開催される「海産物フェスタ」。新鮮な海産物の販売を目当てに多くの人が訪れる人気イベントですが、その魅力は買い物だけではありません。

海の恵みを身近に感じる体験や、地域の漁業・環境保全の取り組みを知る機会としても年々進化を続けています。

朝から行列ができる金沢漁港の人気イベント

イベントは朝9時からスタートしますが、開始前から会場周辺には多くの来場者の姿が見られます。毎年訪れている常連客は、お目当ての商品を求めて一直線。毎年恒例となっている大人気のイベントとあって、開始前から大盛況です。

金沢漁港で販売される生ワカメは、シャキシャキとした食感と豊かな風味が特徴。近年は海藻類が二酸化炭素を吸収する「ブルーカーボン」の観点からも注目されており、金沢区周辺では海苔やワカメ、昆布などの養殖に力が注がれています。

2026年には「漁港フェスタで販売されている金沢漁港で採れた生ワカメは、金沢漁港、幸海HEROS、八千代エンジニアリング、横浜市で協力して、JBEブルーカーボンクレジット認証を先日受けたんです」と、金沢漁港で広報を担当される岩渕さんからのお知らせ。

販売しているところはいくつもあるので、価格は異なるかもしれませんが、取材時は一袋500円ほど。結構な量でしたが気づいたら完売していたほど人気でした。

漁港ならではの特別体験「海苔むしり」

生海苔むしりは、高校生以上1,000円、中学生以下500円でした。横浜・八景島シーパラダイスの風景をバックに海苔むしりができます。

海産物フェスタを代表する人気コンテンツが「海苔むしり体験」です。野島で有名な海苔直売所「忠彦丸」がやっています。

参加者ごとにポリ手袋を渡され、生海苔がついた網から直接パックに入り切るまでむしりとります。かなり寒かったですが、参加者は寒さを忘れるほど海苔むしりに夢中になっていました。

真ん中の方はしゃがみこまないと難しいので、背が低い子供に有利。ヌルヌルした手触りで、一回ではたくさんとりきれないのが面白いです。

磯の香りが広がる海苔むしりの上ではカモメたちが飛び交い、「これぞ漁港」という雰囲気が満載。

海苔が網からなくなっていくと、海苔がたくさんついた網に張り替えられる瞬間を見守るのも楽しいもの。この瞬間に立ち会えたらラッキーです。

生海苔は小分けにして塩でまぶし、冷凍庫に入れると長持ちするのだとか。生のりはお味噌汁にしてもいいですし、海産物フェスタで購入したものとあわせて、のりパスタにしても楽しそう。

海産物フェスタはクーラーボックス予備のビニール袋を持参するのがおすすめ。行かれる方はぜひご参考に。ニットキャップやマフラーなどの防寒具も必須です。

海の環境を学ぶSDGs体験

近年の海産物フェスタでは、海と環境について学べる企画も充実しています。そのひとつが「おさかなの街づくりプロジェクト」。

魚たちのすみかとなる海藻を増やし、豊かな海を育てようという取り組みで、地域の子どもたちが昆布の種付けから成長観察、収穫までを体験します。

「おさかなの街づくりプロジェクト」の企画・運営などをされている幸海ヒーローズ代表の富本龍徳(とみもとたつのり)さん

イベント会場では、育った昆布を活用した「コンブ足湯」も登場しました。

魚たちの住処となる海藻を増やすことで、住みやすい環境をデザインしようと始まったプロジェクト。今回は2回目として成長を確認するイベントとなりました。写真のアートは1回目に参加した子供たちが作ったもの。

足を拭くタオルもついて、15分100円(取材当時)。行列に並んで冷えた体を温めるにはとてもありがたいです。

どことなく出汁の匂いがたちこめる足湯はミネラルたっぷり。ヌルヌル成分があるので、ちょっとしたタラソテラピー気分。

足湯で使われている昆布は、前年の12月に開催されたイベントで、子供たちが種付けして育ったものなのです。

こちらのお湯は、神奈川トヨタ自動車と神奈川スバルの車から電気をとって温めています。CO2を排出せずに開催する工夫をしているのもサステナブル。

「おさかなの街づくりプロジェクト」今後のスケジュールは、公式サイトやSNSでチェックを。

人と地域をつないだ「タチウオdeのりのり」

2026年の海産物フェスタで大きな注目を集めたのが、ピザーラのキッチンカー「ピザーラキャラバン」で販売された地産地消ピザ「タチウオdeのりのり」。

このピザは、地元食材の消費や地域振興への貢献を目的とした「ピザーラ地産地消プロジェクト」という取り組みで生まれたもの。

横浜市立大学 国際商学部髙木俊雄教授のゼミ生とピザーラが共同開発しました。金沢漁港で採れた海苔と、隣接する柴漁港で水揚げされたタチウオを使用しています。

左:金沢漁港 広報担当の岩渕さん、右:株式会社フォーシーズ 取締役 専務光岡健世さんと横浜市立大学でコラボピザを発案された学生さんチーム

もともとは2025年の横浜市立大学学園祭「浜大祭」で販売され、2日間で900枚を完売。その後、金沢漁港からの声掛けによって海産物フェスタでの復活販売が実現しました。

横浜市立大学 国際商学部 国際商学科髙木俊雄教授のゼミ生と一緒に開発したコラボ品は、横浜市漁業協同組合の金沢漁港で獲れた海苔と、同組合の柴漁港で獲れたタチウオが使われているところが“胸アツ”ポイント。金沢区には横浜市漁業協同組合の柴漁港と金沢漁港が隣接しています。

柴漁港のタチウオ(画像提供:横浜市漁業協同組合)

タチウオを材料に使うため、金沢漁港から柴漁港を紹介してもらって実現。今回の海産物フェスタでの再販売は、金沢漁港の声掛けによって決まったものだということです。

近年このあたりの漁獲量が増えているのは“タチウオ”。少し前まではアナゴのイメージが強かったですが、地球温暖化による海水温の上昇などにより海の環境が変化しています。

株式会社フォーシーズ 光岡さん、横浜市立大学でコラボピザを発案された学生さんチームと後輩のみなさん

どの地域食材を使うか考案するのに、自分たちの足で話を聞きながら探していきました。実は前年に開催された海産物フェスタにも学生さんたちは訪れていて、ここで販売したら良いのではないかと考えていたそうです。

かけわ株式会社が運営する「Brewery and Cheese伊能忠次郎商店」のカウンターに立つ髙木教授

ちなみに筆者がとても面白いと感じたのが、髙木俊雄教授は現役の大学教授でありながら、地域創生の会社を立ち上げ経営されている「かけわ株式会社」代表取締役の顔も持ちます。

週末には、ピザをはじめとした地元食材を使った料理を提供するレストランも経営。そう、実は現役のピザ職人さんでもあるのです。場所は千葉県香取市なので、そちらの地元食材を使用した料理を提供しています。

場所を移動して、筆者もピザを試食させてもらうことに。存在感あるタチウオのフリットは、外はサクサク、中はふんわり。さりげなく忍ばせたガリはアクセントを添え、タルタルソースのコクが調和をもたらしています。

素材の持ち味を生かしたバランスの良い仕上がりとなっていて、「ピザーラのメニューにあったらオーダーするのに!」と言ってしまったほど。

「ピザーラでは、タチウオをピザにトッピングする機会が今まではありませんでした。地産地消プロジェクトだからこそ実現できたピザです」と光岡さん。学生さんのひとりは「これまでタチウオを食べたことがなかったので、まさに漁港と出会ったことで食べられた!」とお話ししてくれました。

このあたりでは釣ることもできるタチウオ。残念ながらコラボピザはこれが最後の販売となりましたが、タチウオが手に入ったらぜひフリットにして、海苔とタルタルソースで食べてみるのもいいのではないでしょうか。

環境の変化による食材と地域の伝統的な食材を組み合わせた、この地域、この時代ならではの特別メニュー。コラボピザをヒントに、地元ならではのメニューが、また新たな形で表現されるかもしれない――その可能性に、期待せずにはいられません。

金沢漁港を訪問された髙木教授とゼミのみなさん

今回は海産物フェスタにいらした学生さんたちからのお話だけとなっていますが、髙木ゼミでほかの学生さんたちが発案されたメニュー案もあるので、興味のある方はぜひ記事最後のリンクからそのストーリーを読んでみてください。

海の恵みを通して地域を知る一日

会場には海産物販売のほかにも、漁師女将によるあさりご飯やシロギスの天ぷら、水上警察の警察用船舶見学、キッチンカーなどが並びます。

普段は漁業関係者以外が訪れる機会の少ない金沢漁港。海産物フェスタは漁港の魅力や地域の取り組みを知る貴重な場となっています。

横浜市内に漁港があることをご存じない方は少なくありません。こうしたイベントを通じて漁港を訪れることで、金沢区には江戸時代から続く海苔養殖の歴史があり、現在も漁業や海洋環境の保全に向けた取り組みが続けられていることを知る機会になるのではないでしょうか。

海の恵みを味わいながら、人と地域、そして海とのつながりを感じられる海産物フェスタ。

地域の伝統と新しい挑戦が交差するこの場所から、これからもさまざまな取り組みが生まれていくことが楽しみです。

金沢漁港の海には遊漁船が並びます。駅から近くアクセスもいいので、船釣りをやってみたいという初心者の方にもおすすめです。遊漁船マップはこちらでご確認を。

一般向けのイベントが少ない金沢漁港のイベントの中で、海産物フェスタは漁港の様子や魅力を知る貴重な機会。今後のイベント開催予定は、公式サイトなどでご確認ください。

金沢漁港

公式サイト:金沢漁港・横浜市漁業協同組合金沢支所

住所:横浜市金沢区海の公園9

アクセス:金沢シーサイドライン「野島公園駅」から歩いて8分ほど

インスタグラム:kanazawagyokou_marine

幸海ヒーローズ

以下に「おさかなの街づくりプロジェクト」についての情報が発信されていく予定です。

公式サイト:幸海ヒーローズ

インスタグラム:sachiumiheroes

【ピザーラ 地産地消プロジェクト】

地産地消プロジェクトの取り組みは、特設サイトで随時更新します。

地方自治体・団体、企業、メディアの皆さまからのお問い合わせも、上記特設サイトから受け付けています。

全国のピザーラキャラバンの最新スケジュール

横浜市立大学×PIZZA-LA 地産地消プロジェクトについて

第一弾 第二弾 第三弾 第四弾 

*こちらの記事は、以下の記事タイトルでYahoo!ニュースにも掲載された内容です。金額などは取材時の内容となります。

2025年2月27日【横浜市】新鮮な海産物だけじゃない!生海苔むしりやSDGs体験も楽しめた金沢漁港「海産物フェスタ」

2026年2月8日【横浜市金沢区】の海の幸がトッピングされたあのピザが復活!2/23(月・祝)金沢漁港の海産物フェスタ

2026年2月25日【横浜市金沢区】人と地域のつながりで生まれた地産地消ピザが金沢漁港の海産物フェスタで復活!実食レポ

この記事を書いた人

佐原ねお
「横浜市」の街で出会った誰かの想いと感動を、拾い集めています

佐原ねお

Website: https://holidaytalk.net/

毎日を旅するように生活することを意識し、地域ならではの魅力を探索しています。歴史あるスポット巡りに興味がある一方、流行りモノにも目がありません。

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