【綾町・国富町】バスにのってGO!GO!GO! 車では見えない町・畑・古墳の景色
WRITTEN BY omi
「夫婦岩の間を通り、不動明王の審判を受けて、石仏にたどり着く—」
田尻地区の松森山と呼ばれる丘には、そんな神秘的な参道があります。高さ5メートルの巨大石仏へと続く道には、心清き者のみが通れるという狭い石段や、金の目を持っていた仏像など、まるでファンタジー映画のような要素が随所に。以前の記事では観音堂まで登り、あと一息というところで心身不調により引き返しました。

今回は再チャレンジ。石仏まで登ることが目標ですが……果たして再び審判を受け、その姿を拝めることが出来るでしょうか?
前回の記事:【国富町】心清き者のみが通れる?:夫婦岩から観音堂へのぶらり参道散歩
参道の入口には夫婦岩があり、この岩の間を通って参道を登ると、観音堂での安産祈願のご利益があると言います。私自身には関係ありませんが、前回と同様に、案内板の説明どおり間を通りました。

夫婦岩の間を通るということは、
「仲睦まじき夫婦の間を裂くことになるのでは?」
とも思いましたが、観音様は夫婦岩の了承を得ているのでしょう……と考えることにして、意志はブレずに進みます。

7,8分程登っていくと道が開け、左右に二つの岩が待ち構えるように立っています。本来は岩の間に挟まれた狭い参道を通るのですが、岩が崩れてしまったので迂回路の石段を通ります。夫婦岩とは違う神々しさがあります。

ここは審判の場です。心清き者のみが進めます。悪しき心の持ち主は不動明王による裁きを受けると言われています。

前回は無事通れたこの石段。今回はどうでしょう。大丈夫だと思うのですが、悪しき心は、大抵は無自覚なもの。
とにかく進みましょう。すると……

石段に足を一歩載せたとたん、鳥が一斉に木から飛び立ち、あたりは騒然と。
「うそ!」
一瞬、まさかと思いましたが、人間が近づいたことに驚いた鳥たちだったようです。一瞬、本気で心臓が止まりそうなりました。単なる偶然でしょうが、ここは「慢心するべからず」という仏さまの啓示と受け止めましょう。ともかく石段は無事通過。そしてすぐに観音堂へ到着。

観音堂周辺は、盗まれた金の目の仏像、習字のうまくなる湧き水など、見どころ満載ですが、それは前回の記事を参照してください。前回はここまででした。今回はさらに上に登り、石仏を拝観します。どこか緊張します。
ここからは石段はありません。山道を登っていくことになります。さあ、気を引き締めて……

と思ったら……登り始めてまもなく、目に入ってきたのは……

「え?」
わずか1分で石仏にたどり着いてしまいました。拍子抜けです。こんなに近いことが分かっていたら、前回あきらめずに来ていました。でも、これも何か意味があるのでしょう。おかげで二回、参道を堪能できました。
岸壁に掘られた石仏は薬師如来だと伝えられ、鎌倉時代末期に造られたと言われています。長い年月で下半身と左手部分が自然とすり減ってしまいました。下半身がない分、岩に浮かび上がっているようで、神秘的です。


石仏までは10分くらい。距離は短いけど石段は急なので、結構息が上がります。人のいない場所にある、長い長い時の流れを感じる石仏とその道のりは、是非とも経験して欲しいと思いました。ここからさらに山頂への道があるようですが、道筋は定かではありません。

目的も果たしたので、今回は引き上げることに。もしかしたら、いつか三度目の挑戦もあるかもしれません。
道そのものに意味がある——改めてそんなことを感じさせる、不思議な場所でした。
本庄石仏
住所:〒880-1104 宮崎県東諸県郡国富町田尻 (地図)
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omi
古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。
仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。