0
%
宮崎県 -国富町

【国富町】心清き者のみが通れる?:夫婦岩から観音堂へのぶらり参道散歩

KEYWORD
WRITER
omi

田尻地区の仲睦まじく寄り添う「夫婦岩」から、参道を登ると「観音堂」があります。しかしここを通るには、不動明王による審判があります。今回、その参道を登ってみました。私は通ることができるでしょうか?

・アクセス

夫婦岩は田尻地区の松森山と呼ばれる丘にあります。県道17号線から丘のふもとに向かうと「本庄石仏」の標識があるので、その指示に従って進みます。

すぐに駐車場が見えてきます。そこに車を停めましょう。

駐車場にはトイレも設置されています
駐車場にはトイレも設置されています

・寄り添う夫婦岩

駐車場の横に夫婦岩が立っています。本当に寄り添っていますね。左が夫、右が妻でしょうか。

国富の夫婦岩は

全国には夫婦岩と呼ばれる岩が数多く存在します。ほとんどは縁結びや夫婦円満の象徴とされています。案内板によると、ここ国富の夫婦岩は安産と、すこやかに育つ子供への願いが秘められているそうです。

・観音堂と石仏への階段

岩の左側には観音堂と石仏への道があります。石仏は岩壁を利用して彫刻された仏様で、高さ5m近くの巨像と聞きます。是非とも拝見したいものです。観音堂は安産のご利益がありますが、夫婦岩の間の道を通らないとご利益がないそうです。

私は安産祈願は必要ないですが、そう言われると岩の間を通りたくなるもの。もちろん通りました。

夫婦岩の間はかなり狭いです。足元に注意
夫婦岩の間はかなり狭いです。足元に注意

では石仏と観音堂を目指して行きましょう。丘の中腹にあるため、階段をかなり登ります。観音堂までは120m。いい運動になりますね。

急な階段は、上りより下りに注意
急な階段は、上りより下りに注意

ぶつかり合った二体の守護神

数分ほど登っていくと、狭い平地に出ます。目の前に大きな岩が2つあります。もともとは岩の間が参道になっていて、左の岩には観音像、右には不動明王が、お互い見合う形で彫られていたといいます。しかし、不動明王の岩が倒れてしまい、観音像の頭を破壊してしまいました。今は2つの岩が参道を塞ぐ形になっています。

右が不動明王の岩、左が木に隠れてますが観音像の岩
右が不動明王の岩、左が木に隠れてますが観音像の岩

もはや不動明王も観音像も見ることはできません。仏さま同士で一体何かあったのでしょうか?

下に隙間がありますが、通り抜けは不可能です
下に隙間がありますが、通り抜けは不可能です

不動明王の審判

この岩の間の参道ですが、なんと「心清き者のみが通れる」参道です。案内板にはこう書かれています。

邪心を抱く者、悪しき心を持つ者は通ることを許されぬようです。ただ2025年現在、先述の通り2つの岩で塞がれて、通ることができません。幸い、右側に石段が残っているので、そこから先に進むことができます。ここからなら不動明王の目を逃れそうですが、そう都合良くいかないでしょう。迂回路であっても不動明王の目は光っているはずです。ここが新しき審判の道。さて、私は通れるでしょうか?

写真中央の狭い石段を上ります
写真中央の狭い石段を上ります

……無事通ることができました!

心清きことが証明されたのでしょうか?そう解釈することにして、さらに登りましょう。すぐに右側に観音堂が見えてきました。もうすぐです。

・不思議が息づく観音堂

到着。観音堂です。時間にして10分程でしょうか。夫婦岩の間を通り忘れた方にも、安産の御利益はあると思いますよ。

観音堂には聖観世音菩薩さまが祀られています
観音堂には聖観世音菩薩さまが祀られています

盗まれた金の目

他にも興味深い見どころがあります。まずは木の幹に安置された仏像。案内板によると金の目玉が彫りこまれていたが、心亡き者により盗まれてしまったとか。

こうした心無い行為があったからこそ、不動明王による審判が必要だったのでしょうか。

日羅上人坐像と言われています
日羅上人坐像と言われています

言い伝えとはいえ、胸が痛みます。

枯れない湧き水

観音堂の背後にある斜面を少し登ると岩のくぼみがあり、水が溜まっています。「硯の水」と呼ばれており、人工的に作られたものか、自然にできたものかは分かっていません。

この穴に溜まる水を書道に使うと、上達に効果があるとされています。水は今まで枯れたことが無いとか。魔法の水ですね。

・本庄石仏への近くて遠い道

階段はありませんが、もう少し登ったところに巨大石仏があります。あとひと踏ん張り……ですが……

この山道を見て躊躇しました。以前の取材で下の写真のようなワイルドな古墳に登った時のトラウマかでしょうか?

本庄古墳群42号墳。墳丘までの道はまるで登山
本庄古墳群42号墳。墳丘までの道はまるで登山

それともたまっていた疲れが出たのかもしれません。「中道を行け」とは仏の教え。苦と楽の真ん中を歩きなさいということです。そして……気持ちが入らない状態で無理して登るべきではないと思い、今回は見送ることに。

・道そのものに意味がある

階段を一歩一歩登っていくうちに、徐々に心が落ち着いてきた気はします。そして降りたときには完全にすっきりしていました。今回は、参道を歩くこと自体が目的だったのかもしれません。

国富中心部から10分程の場所にこんなところがあるなんて。悩み事がある人も無い人も、参道を登ってみてはどうでしょうか。石仏まで行かなくても大丈夫。道そのものに、何かあるのかもしれませんから。

ただし不動明王の審判を受ける勇気があれば……ですが。

追記:再チャレンジ

翌月、再び挑みました。結果はいかに?

再挑戦:【国富町】5mの巨大本庄石仏へ:不動明王の岩が立ちふさがる審判の道

本庄石仏
住所:〒880-1104 宮崎県東諸県郡国富町田尻 (地図)
駐車場:有

この記事を書いた人

omi
パフォーマー

omi

古墳好きの道産子。札幌で生まれ育ち、新宿、ニューヨークなど喧騒の場所を転々とする。2017年12月、宮崎県綾町に移住。2024年から2年間、yahoo!地域クリエイターとして宮崎県綾町、国富町、西都市情報を執筆。2024年9月、古墳記事でYahoo!MVA賞受賞。

仕事の傍らバンド、タップダンス、パントマイムの舞台活動を行っていたが、現在は活動休止中。
詳しいプロフィールはnoteにて。

このライターの記事を読む
BACK